2005年10月17日(月)「しんぶん赤旗」
事故調査のあり方は
JR西脱線 遺族らがシンポ
JR福知山線事故の原因究明と事故調査のあり方を考える集いが十六日、兵庫県伊丹市内で開かれました。過去の重大事故遺族らが一堂に会し、事故調査のあり方について交流しました。
一九九一年の信楽列車事故の遺族や弁護士らが設立した鉄道安全推進会議(TASK)の主催。
日本航空123便事故、信楽列車事故、中華航空事故、明石歩道橋事故などの遺族らが次つぎ壇上に立ち、自らの経験と、これまでの事故調査の問題点を語りました。
JR福知山線事故で十八歳の息子、昌毅さんを亡くした上田弘志さん(51)は、壇上で涙を流しながら、最愛の家族を奪われた苦しみを語り、情報公開に消極的なJR西日本を批判しました。
シンポジウムでは、ノンフィクションライターの柳田邦男さんと日本ヒューマンファクター研究所所長の黒田勲さんが発言。企業の体質など、背景まで含めた事故調査の重要性を強調しました。
米国の事故調査なども紹介され、国民のための事故調査機関の必要性が訴えられました。
船舶も含む全運輸機関を対象に、独立性を持った調査機関設立が必要だとするTASKの「運輸安全基本法案」が紹介されました。
集いにはJR福知山線事故遺族が多数参加。娘の容子さん(21)を亡くした兵庫県三田市の奥村恒夫さん(58)は、「ほかの事故遺族たちの活動が分かり参考になった。自分自身ももっと勉強して、JR西と対決していきたい」と話していました。