2005年10月15日(土)「しんぶん赤旗」
伊選挙 比例代表制に
下院可決 小選挙区中心から戻す
【パリ=浅田信幸】イタリア下院は十三日、小選挙区制中心の現行選挙制度を比例代表だけの制度に戻す法案を、圧倒的多数で可決しました。賛成三百二十三、反対六、棄権六でした。
現行制度は定数六百三十議席のうち75%を小選挙区制で、残り25%を比例代表制で選出するもの。一九九三年、政治資金にからむ政界スキャンダルが続く中、国民投票で83%の賛成で小選挙区制導入が決定された経緯があります。
今回、比例代表制への復帰については、支持が低落している与党、保守連合が来春行われる総選挙で後退を最小限にとどめることをねらったためといわれ、これを党略的と批判する野党は反対し、採決では多数の野党議員がボイコットしました。
比例代表制では第一党の党首に首班指名がおこなわれるのが通例。改定された制度で選挙が行われれば、独自の政党をもたない野党連合指導者のプローディ氏に不利とみられています。
同法案はこの後、上院で審議されますが、可決は確実です。しかしチャンピ大統領は、国民投票で承認された現行制度を国会の議決だけで覆すのは「憲法違反」と指摘していると伝えられます。大統領が署名を拒否すれば発効に「待った」がかかります。