2005年10月14日(金)「しんぶん赤旗」
列車警乗旅費が裏金原資か
愛媛県警報告に矛盾
未払いの仙波氏に表彰78回
吉井議員が質問
日本共産党の吉井英勝議員は十二日の衆院内閣委員会で、長距離移動の際の列車警乗旅費にからむ愛媛県警の裏金づくり問題を追及しました。
この問題は、同県警鉄道警察隊に所属していた仙波敏郎巡査部長が一九九九、二〇〇〇年度の二年間は警乗旅費が支払われていないと告発。これをもとに、吉井議員が国会で、警乗旅費も裏金の原資になったのではないかと追及してきました。
吉井議員は愛媛県警が六月に国会に報告した「調査結果報告書」が「仙波巡査部長が長距離警乗に従事していたことは認められなかった」と主張したり、県警の警務部長が「当時の鉄警隊長から長距離警乗に消極的だったことから命じていなかったとの証言を得ている」と会見で述べ、仙波氏の告発を否定しようとしていることを指摘しました。
そのうえで、仙波氏が鉄道警察隊に勤務中の九九年六月に大物スリを逮捕し、表彰されていることを指摘。警察庁の安藤隆春官房長も仙波氏が、警察本部長から十件、警察署長から六十三件など七十八件の表彰を受けていることを認めました。
吉井議員は「鉄道警察隊の基本的な任務である長距離警乗に消極的な者が、なぜたくさんの表彰を受けているのか。評価がまったく違う」と追及。村田吉隆国家公安委員長は「それぞれの判断だと思う」などと答弁するだけでした。
▼警乗旅費 警察法三七条1項七号の「警衛及び警備に関する経費」に含まれるもので、「長距離にわたる移動警察」の日当として国庫から支出されます。一回につき千七百円。仙波巡査部長は、警乗旅費が支給され始めた二〇〇一年四月以前の二年間に国から自分に支給された警乗手当が未払いになっているため、八回分の合計一万三千六百円の損害賠償を求めています。