2005年10月13日(木)「しんぶん赤旗」
親なきあと心配
障害者「自立支援」法案 応益負担、考え直して
「きょうされん」(旧共同作業所全国連絡会)は、障害者「自立支援」法案が参議院厚生労働委員会で採決を予定されるなか、「全体像が分からないままで法案が審議され決まってしまうのはおかしい」と国会議員要請、手紙、ファクス、委員会の傍聴などの活動を行っています。
■「きょうされん」が議員要請
十二日は、関東を中心に集まった約百人が、「自立支援」法案の応益(定率)負担制度の導入の考え直しなどを求め、国会議員に対し緊急要請行動を行いました。その後、参院厚労委を傍聴。同法案の審議で行われていた参考人意見陳述を見守りました。
要請では、参加者が二十組に分かれ要望書を手に、参院議員を中心に合計約四百人の議員会館の部屋を回りました。障害者や親、障害者施設の職員らは「今、分からない具体的な内容を明らかにし、慎重に審議してほしい」と訴えました。
早朝に滋賀県内の自宅を出て駆けつけたきょうされんの立岡晄理事長は、一部屋一部屋回り、頭を下げました。「負担は一割といっても、とても障害者が払える金額ではない」。自身が副理事長をしているひかり福祉会の「たんぽぽ作業所」の仲間たちのことを思いながら回ったといいます。「なぜ、トイレに行くのにお金を払わないといけないのか。生活に不可欠な介護にも負担を求めるのはおかしい。障害者はマイナスの状態からゼロにもっていく。それでやっとスタートラインなのに」。同法案の応益負担についてこう語り、回った部屋は二十室超。議員が議会などで不在のため、ほとんどが秘書の対応でしたが、言葉を選び議員に伝えてもらえるよう訴えました。
横浜市から来た知久光雄さん(70)は、知的障害を持った娘(28)と一緒に回りました。「親の支援がなければ年金だけでは生きていけない。親なきあと、将来子どもたちが安心して暮らせるようにしてもらいたい」。一緒に回った、娘は持参した手紙を読んだといいます。「ぜひ力を貸してください」
要請後、参加者は「自立支援」法案が審議されている厚労委を傍聴。横浜市から来た知的障害の子を持つ母親(56)は「少しでも声が届けばいいと思ってきました。今の法案は廃案にしてほしい」と語ります。きょうされんは、法案審議が行われる厚労委には、毎回四十人ほどの仲間が傍聴に詰めかけています。