2005年10月13日(木)「しんぶん赤旗」
被爆60年で10・18大集会 被団協
吉永小百合・井上ひさしさんら賛同
平和願い、証言やライブ開催へ
「核兵器も戦争もない世界をめざして」を掲げ、広島・長崎の被爆者でつくる日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)は18日に東京・九段会館で「被爆60年10・18大集会」を開きます。被爆者と市民が一緒になって、核兵器廃絶と被爆者援護の運動を発展させていこうと開かれるものです。集会成功に向け、各地でとりくみがすすんでいます。
「被爆者の思いを私たちがしっかり受けとめなければ、平和な未来はありえないと思う。私たちも集会に参加して、被爆者と思いを一つにしたい」と、千葉民医連事務局の伊藤暁子さん(37)は力を込めます。
千葉民医連の反核平和委員会では、「靖国神社見学&10・18大集会参加ツアー」を計画し、青年職員らに参加を呼びかけています。市川革新懇代表世話人の高野邦夫さんのガイドで靖国神社がどういうところなのかを実際に訪れ、学び、九段会館での集会に参加しようという企画です。「人の命と健康を守る活動に携わる民医連職員だからこそ、核兵器も戦争も許さないとりくみをしよう」と参加を広げています。
ことしの原水爆禁止世界大会に千葉県からバスで参加した「ピース☆バス☆チバ」の青年たちも、「集会に参加しよう」と声をかけあっています。同県からは世界大会に約二百人が参加し、そのうち百五十人が三十代までの青年でした。九日には、三十五人の青年が集まって「報告会」を開き、「世界大会で、自分は変わった。なにか行動したい」と思いを語り合いました。
東京原水協では、事務局長や役員が連日、労組や民主団体を訪れ、参加を呼びかけています。
「多くの青年にもできるだけ参加してもらって、被爆者の思いをぜひ受け継いでほしい」と日本被団協の田中熙巳事務局長は語ります。「被爆者は被爆六十年のこの一年間、国連本部での原爆展や『ノーモア ヒロシマ・ナガサキ国際市民会議』、各地での署名活動や原爆展など全力をあげてきました。10・18大集会でこうした運動を総結集し、来年の日本被団協五十周年に向け、さらに運動を発展させたい」
十七都道府県の被爆者百六十七人が全国十二の地方裁判所に提訴してたたかっている原爆症の認定を求める集団訴訟も今秋、大きなヤマ場を迎えます。大阪地裁では十二月に結審し、来春に全国初の判決がだされる予定です。
大集会は、映像と証言による「被爆六十年の歩み」でオープニング。小室等さん、寺井一通さん、横井久美子さんの歌と音楽、原爆症集団訴訟の原告や弁護団、市民らによるリレートークなどがおこなわれます。
賛同者として、吉永小百合(俳優)、上條恒彦(歌手)、井上ひさし(作家)、永井潔(画家)、山本俊正(日本キリスト教協議会総幹事)、小沼通二(世界平和アピール七人委員会事務局長)、梅林宏道(ピースデポ代表)、増田善信(気象学者)の各氏が名前を連ねています。
大集会は、十八日(火)午後三時半から午後六時半まで。会場の九段会館は、地下鉄・九段下駅から徒歩五分。