2005年10月13日(木)「しんぶん赤旗」

憲法調査会から

国民投票制度を討論

改憲と一体の法制定に反対

仁比参院議員


 参院憲法調査会は十二日、憲法「改正」のための国民投票制度について各会派が意見を述べました。同調査会が五年間の活動をまとめた「最終報告書」を四月に提出後、初めての討議です。

 日本共産党の仁比聡平議員は、「今、国民投票法制定を強く要求する世論が、国民の中からおこっているのか」とのべ、時事通信の七月の世論調査では「国民投票法を整備しておいてよい」が29%にすぎないことを例示し、「国会は怠慢との議論はあたらない」と反論。衆院の憲法特別委設置の動きに合わせて参院憲法調査会が再開されたことを強く批判しました。

 仁比氏は、「国民投票法制定の狙いが、日本を『海外で戦争する国』に作り変える九条改憲に向けた条件作りにあることは明白だ」とのべ、自民党の新憲法第一次案が自衛軍保持を明記する九条二項の全面改廃を狙い、民主党も足並みをそろえようとするなど、九条改廃が改憲の焦点になっていると指摘しました。

 また、「日本国民の圧倒的多数は、海外での武力行使に反対だ」とのべ、「九条の会」の広がりなどを紹介し、「九条守れ」の声が広がっていることを国会は受けとめるべきだと主張しました。

 自民党の舛添要一氏は「国民投票法案をこれまで立法府がつくってこなかったのは怠慢だ」とのべ、早急な法整備が必要だと主張。民主党の〓瀬進氏も「最も重要なのは、国民が手続き法を議論する過程で憲法改正の具体的なイメージを持つことだ」とのべ、投票法制定と改憲への世論誘導に積極姿勢を見せました。

 公明党の白浜一良氏は「国民投票法制度を現実化する段階だ」とのべ、制定に賛成。社民党の近藤正道氏は「改憲を求める声など国民のどこにもない」とのべ、改憲のための国民投票法制定に反対しました。


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