2005年10月7日(金)「しんぶん赤旗」

「自立支援」審議に障害者ら

“働くのに利用料とは”


 参議院厚生労働委員会で障害者「自立支援」法案の審議が始まった六日、障害者やその家族、関係者は審議の傍聴や厚労委員への要請、座り込みなど終日、行動しました。日本共産党の小林みえこ議員が質問、「負担増大法案であり、廃案しかない」と迫りました。

 東京・江戸川区から車いすで傍聴に駆けつけた佐々木正彦さん(52)。脊髄(せきずい)小脳変性症で十年ほど前から、徐々に足や手の機能が失われてきました。「今は一人で何とか暮らしていますが、障害が重くなればなるほど負担増となる法案がそのまま再提出され、不安です。共産党に頑張ってもらって廃案にしてほしい」と話します。

 葛飾区の市川柳子さん(81)の長男(40)は精神障害者で、生活寮で暮らし、昼間は施設で働いています。「月給は約十万円。今は一人でやりくりしていますが、働くのにお金(利用料)をとられれば、やっていけない」と話します。夫(81)と月約二十万円の年金暮らし。デイサービスの利用料や通院のタクシー代が必要です。「家賃に水道、電気代と、お金が残りません。長男の面倒を家族でみることは、とてもできない」と訴えます。

 長男(22)が知的障害者という女性(57)=横浜市=は、親の会の仲間から同法案の内容を聞き、初めて傍聴に来ました。長男の収入は、障害基礎年金とパートの月給合わせて約十八万円。「将来、グループホームやホームヘルパーの利用も考えていたのに、負担増で難しくなる」とこぼします。

 同日、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会ときょうされんは、参院の厚生労働委員の議員を訪問。「応益(定率)負担」制度の導入中止、親や家族の費用負担制度の完全撤廃、本格的な所得保障の確立などを要請しました。


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