2005年10月7日(金)「しんぶん赤旗」
石綿健康被害
救済、企業負担が基本
塩川議員質問 自治体転嫁筋違い
六日の衆院総務委員会で日本共産党の塩川鉄也議員は、アスベスト(石綿)による健康被害の救済問題を取り上げ、政府が公費負担のあり方を今後検討するとしていることについて、「(原因となった)企業が費用を負担するのが基本。地方自治体に負担を求めるのは筋違いだ」と主張しました。
塩川氏は、曙ブレーキ工業(埼玉県羽生市)の自動車のブレーキパッドなど石綿製品を製造する工場で、周辺住民に健康被害が広がっていた実態を示すとともに、同社が周辺住民の健康診断を企業負担で実施していることを紹介。「アスベストの製造・加工工場が所在する自治体や被害者のいる自治体に費用負担を求めるのは理屈が通らない」と追及しました。
麻生太郎総務相は「アスベストをつくっているところだけが問題、ということではない」と答弁。企業以外にも負担を求める姿勢を示しました。
塩川氏は被害について、国の責任を問いただすとともに、「安易な公費負担によって、企業責任があいまいにされてはいけない」と指摘しました。
さらに、元アスベスト鉱山とアスベスト製品製造工場の周辺で健康被害が広がっている熊本県松橋町(現・宇城市松橋町)の事例を紹介。原因となった企業(一九七〇年まで操業)は、麻生セメントの100%子会社の麻生石綿加工工業で、当時の副社長が麻生総務相だったとのべ、「当時の経営者、いま政治家としての政治姿勢が問われる」と迫りました。
麻生氏は「記憶が確かではない」と答えました。