2005年10月7日(金)「しんぶん赤旗」

「自立支援」法案

障害児負担10倍にも

小林議員質問 「児童育成に逆行」


 六日の参院厚生労働委員会で、日本共産党の小林みえこ議員が、障害者「自立支援」法案によって、障害を持つ乳幼児をかかえる若い世代にも大きな負担増となる実態を示し、撤回を求めました。

 障害児のための福祉施設は現在、児童デイサービスを除き、行政の責任で障害福祉を保障する「措置制度」で、「自立支援」法案が成立すれば二〇〇六年十月から一割負担(応益負担)が導入されます。

 小林議員は、大阪の家庭の例をあげ、乳幼児が知的障害の場合、現在月三千円の負担ですむ通園費用が応益負担になれば二万八千七百円(利用料一万四千四百円、食費一万四千三百円)と約十倍の負担増になることをパネルで示しました。

 肢体不自由児の場合では、現在七千円の通園費用が二万二千八百円(利用料四千円、食費一万四千三百円、医療費四千五百円)と約三倍の負担増になります。小林議員は「若い世代にこんな負担を押しつけるのか」と追及。低所得者対策があるといっても、通園施設に通う障害児の世帯の87%は対象外となり、一般世帯の上限額・月額四万二百円では「まったく負担が軽減されない」とただしました。

 さらに肢体不自由児は補装具が必要となり、子どもの体形に合わせて作られる座位保持いすは四十万円にもなります。現行制度では家庭用と施設用の二つを作っても五千円の負担なのに、一割負担になれば二つで八万円の負担にはね上がります。

 尾辻秀久厚労相は「だれかが負担しなければならない」と開き直りました。

 小林議員は「上限を設定しても負担が増えることは変わらない。これでは、子どもたちの育成に逆行する法案だ」とのべました。


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