2005年10月6日(木)「しんぶん赤旗」
消えた 酒政連 440万円
献金額と受領額 食い違い
政治団体「全国小売酒販政治連盟」(酒政連・東京都目黒区)が自民党の小杉隆元文相(東京5区)の資金管理団体に支出した金額と、同議員側が受領した金額について収支報告書で約四百四十万円もの食い違いがあることが五日までに本紙の調べでわかりました。酒政連は小杉議員側への献金には「領収書か控がある」と主張。不透明なカネの処理に疑惑が出ています。
■自民・小杉元文相
二〇〇一年分の酒政連の政治資金収支報告書に記載された小杉氏の資金管理団体「現代システム研究会」への資金提供はパーティー券購入が八回分(各四十万円、いずれも十二月二十日付)、寄付が二百二十四万円、セミナー等会費二十四万円。合計五百六十八万円です。このうち、法律上、受領側に記載義務があるのは五百四十四万円です。
一方、現代システム研究会の報告書にある酒政連からの収入は、パーティー券収入百万円(十二月七日)の一件だけです。
酒政連の担当者は「報告書に記載された金額は、すべて小杉氏側からの領収書か送金控を添付して総務省に申告した。出金に間違いはない」と話します。他方、小杉氏の事務所は取材に対し「(酒政連の報告書の記載は)事実無根。こちらも迷惑している」といい、両者は食い違ったまま。差額の四百四十四万円の行方はわかりません。
酒政連は〇一―〇三年にかけて自民・公明・民主の政治家六十六人などに約八千七百万円の資金を提供しています。酒政連関係者は「残念なことだが、政治家と話すときは金を使わないと話が進まないのが現状」と話しています。
酒政連の政治資金をめぐっては、〇一―〇二年にかけて、収支報告書に約八千万円の支出を架空記載していたことも発覚。別の酒政連幹部は、この一部が政治家との飲食代や「車代」として使われたと証言。報告書に記載された献金のほかにも裏金が政界に流れていた疑いが出ています。
自民党の佐藤剛男衆院議員(比例東北ブロック)にも、二〇〇〇年九月と〇一年一月の二回にわたって現金計八百万円を直接提供し、佐藤氏側が全額を返却したこともこのほど明るみにでました。佐藤氏の事務所は「受け取れない金なので、すぐに返却した」と説明しています。