2005年10月6日(木)「しんぶん赤旗」
「自立支援」法案審議入り
障害者ら「憤り感じる」
参院本会議
障害者が福祉や医療サービスを利用するさいに原則一割負担(応益負担)を求める障害者「自立支援」法案が五日、参院で審議入りし、本会議で趣旨説明、質疑が行われました。
同法案は、八月の衆院解散で審議未了・廃案となりましたが、政府は当初二〇〇六年一月一日としていた法の施行の一部を、同四月一日と変更しただけで、同じ内容の法案を再提出しました。
尾辻秀久厚生労働相は趣旨説明で「制度をより安定的、効率的かつ持続可能なものにするため、今回の改正を一刻も早く実現する必要がある」として早期成立をめざす考えを示しました。
車いすで本会議を傍聴していた沖田博さん(52)=埼玉県鴻巣市=は、「自立支援」法案が再提出されたことに、「非常に憤りを感じる。この法案は当事者を無視している。障害者の考えがほとんど取り入れられていない」と声を絞り出すように語りました。
同法案は、障害が重くなるほど重い負担を課すものです。政府は、「低所得者にきめ細かな配慮をしている」としていますが、四日の参院予算委員会で日本共産党の小池晃政策委員長は減免制度の実態を明らかにしました。入所施設の障害者には生活費として月二万五千円しか手元に残さず、さらにグループホームや自宅から作業所に通う場合は、負担が収入を上回り、赤字になってしまうケースがほとんどです。