2005年10月5日(水)「しんぶん赤旗」

経財会議

医療費抑制を提案

民間議員 入院食や居住費自己負担


 政府の経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)は四日、医療費制度「改革」について議論しました。奥田碩トヨタ自動車会長(日本経団連会長)ら四人の民間議員が、医療費総額の伸びを経済成長率に連動させて抑制する総額管理方式の導入を改めて提案しました。

 経済成長率に連動させた総額管理方式とは、高齢化の進展にともなって自然に増える医療費を、日本経済の伸びにあわせて抑え込もうとするもので、景気が悪くなれば病院に行くのを我慢せよという考え方です。医療制度改悪による国民負担増を伴います。

 民間議員の試算では、名目国内総生産(GDP)の伸び率に高齢化比率の上昇を加味した指標を用いて管理した場合、現状のままでは、二〇二五年度には対GDP比8・2%(〇四年度5・2%)に達する医療給付費を同5・6%に抑えられるとしています。

 提案では、その具体策として、医療機関に支払われる診療報酬本体の「大幅なマイナス改定」を提起。保険給付範囲の「見直し」として、介護保険と同様に入院時の食費・居住費の全額自己負担化や高齢者の自己負担増の方向も盛り込みました。

 民間議員は、これらを厚生労働省が十月半ばに公表する医療制度「改革」試案に、明記するよう求めました。

 同日の会合では、総額管理の導入をめぐって、尾辻秀久厚労相が改めて反対姿勢を示し、医療制度「改革」を通じた政策目標の達成を積み上げる方式での医療費抑制を主張しました。


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