2005年10月5日(水)「しんぶん赤旗」
JR西事故
遺族ら国交相に要請書
原因究明と防止策求める
百七人の尊いいのちを奪い、多数の負傷者を出したJR尼崎脱線転覆事故から間もなく半年。遺族や負傷者でつくる「4・25ネットワーク」の九人は四日初めて上京し、北側国土交通相と会って要請書を渡しました。
「事故の原因が徹底的に究明され、再発防止策が明らかにされることが(遺族が)事故の打撃から立ち上がる第一歩」と、同相との直接面談が実現しました。
要請書は、九月六日に公表された航空・鉄道事故調査委員会による経過報告と建議について、原因究明と全容解明が不十分であると指摘。事故列車の運行ダイヤの危険性、自動列車停止装置(ATS)―Pの設置の遅れ、運行責任を担っていた運転士と車掌の安全運行に関する訓練や就業状態など、さまざまな要因を分析した全容解明を求めています。また、中間まとめを行い遺族、負傷者などに説明会を開くことを要請しています。
JR西日本が当事者として直接遺族らに説明を拒否していることについて厳しく批判。「説明責任は第一義的にJR西日本にあり(運輸技術審議会諮問第23号答申)、国の同社に対する監督・指導」を求めています。心のケアなど遺族、負傷者、救助活動を行った人たちにきめの細かい支援策をするように要請しています。
一人娘を亡くした藤崎光子さん(65)は記者会見で、「初めて大臣が遺族の方に顔を向けてくれました。時間が少なく親の思いを直接伝えられませんでしたが、JR西日本に誠意ある対応をするように伝えると回答されたので今後を見守りたい」と話しました。
遺族の石川悦治さん(65)は「国やJR西日本の企業としての責任を明確にしてほしい」、「謝罪の言葉は一度もない。心からの謝罪をしてほしい」など述べました。
JR西日本とは六日に社長と会って申し入れます。