2005年10月5日(水)「しんぶん赤旗」
「自立支援」法案
障害者が生活できるか
通所施設 工賃を上回る利用者負担
入所施設 手元には月2万5千円だけ
日本共産党の小池晃政策委員長は四日の参院予算委員会で、障害者が利用するサービスに原則一割の自己負担を導入する障害者「自立支援」法案の過酷さを浮き彫りにし、法案の撤回を求めました。
■参院予算委 小池議員が追及
小池氏は、障害者が働く場とする通所施設(作業所、授産施設など)の負担例を取り上げ、これまで95%の通所者が無料だったのに、法案では課税世帯の利用者負担が月二万九千二百円になると指摘。「受け取る工賃は平均月七千三百円にすぎない。賃金を上回る料金をどうして払えるのか」と追及しました。
小泉純一郎首相は「収入以上の負担は求めていない。低所得者に配慮している」とごまかそうとしました。
小池氏は、減免(社会福祉法人減免)されても、利用者負担は一万二千六百円で、工賃を超えることにかわりがないことを指摘し、「どうしてこれで『自立支援』なのか」とただしました。
小池氏は、入所施設の例も取り上げ、預貯金が一定額以下の入所者のためにつくったという特別の負担軽減制度(個別減免)が本当に「減免」といえるのかを追及。入所者の収入のうち手元に残せる生活費は月二万五千円で、あとはすべて負担となる仕組みだと指摘し、「月二万五千円、一日わずか八百円を残して、あとは身ぐるみをはぐというものだ」と指摘しました。
尾辻秀久厚生労働相は、年収二百万円未満の世帯の生活費は月二万一千円で、これを根拠に二万五千円が残る仕組みにしたと答弁。「二万一千円でがんばっている人もいる」とのべました。
小池氏は、年収二百万円未満というのは生活保護水準を大きく下回ることを指摘し、「法案はそういう生活水準を政府として障害者に押し付けるものだ。生存権を保障した憲法二五条に反する」と批判しました。
■視聴者から次々反響
小池氏の質問が終わると、視聴者から次々と反響が寄せられました。
「障害者『自立支援』法案にたいしてはっきりと抗議をされていることに感銘を受けました。一日八百円、年収二百万円以下の生活水準の強制など、大変わかりやすい負の将来像をイメージできました。これからも弱者への負担増にたいして、明確な警告、改正を訴えてください」(小泉首相支持派という男性)