2005年10月2日(日)「しんぶん赤旗」
“民主主義のための戦争”反対
米国民の5割超
世論調査で判明
米国民の過半数が「民主主義促進のための戦争」というブッシュ政権の政策に反対していることが、米研究機関などの世論調査で九月二十九日、明らかになりました。イラク戦争については、回答者の四分の三が「民主化はイラク戦争の根拠にならない」としています。
この調査はメリーランド大学と提携する研究グループPIPAとシカゴ外交評議会が共同で、九月十五日から二十一日にかけ八百八人に面接して実施したものです。
民主主義促進のための武力行使に関する一般的な設問では、「独裁者打倒のための武力行使」に、反対と答えたのは55%、賛成は35%でした。
「米国が、民主的改革を実行しない政府に、軍事介入の警告をする」ことには、66%が有害と答え、有益であるとしたのは21%にすぎませんでした。また、イラン、エジプト、サウジアラビア、パキスタン、ロシア、中国、ミャンマーなど特定の国に対するそのような威嚇に反対するというのはそれぞれ73―76%にのぼりました。
イラク戦争についての設問では、「独裁政権を転覆させて民主主義を確立することは、その戦争遂行の十分な理由になる」と考えた人が19%にすぎないのに対し、そう考えていないと答えた人は74%にも達しました。
「将来も民主主義確立のために武力行使をする」ことについては、イラク戦争の教訓として「良いと考えるようになった」が19%なのに対し、「悪いと考えるようになった」が72%に上りました。
また、国連とのかかわりの質問では、民主主義促進のために「米国が決定的効果的にできるよう単独で行動するのが良い」と考えている人が25%なのに対し、「国連を通じて努力するのがより合法的で良い」と考えている人が68%でした。
この結果について、PIPAの責任者カル氏は「テロとたたかい、世界をより安全にするために、民主主義促進は決定的に重要な意味を持つというブッシュ大統領の主張に、大部分の米国人は説得されていないようだ」とコメントしています。