2005年10月1日(土)「しんぶん赤旗」

公務員は多すぎるの?


 〈問い〉 小泉首相も民主党も、公務員がムダづかいの元凶のようにいって、削減をいっています。日本の公務員は多すぎるのですか?(神奈川県・一読者)

 〈答え〉 日本の公務員の数は、けっして多いとはいえません。単純比較ですが、人口1千人あたり、仏96・3人、米80・6人、英73・0人、日35・1人と、先進国の中で最低の水準です。

 国・地方の行政を効率的な機構にしていくことに努力する必要があるのは当然です。しかし、だからといって、公務員をやみくもに減らせばいいという立場に日本共産党は立ちません。軍事や公安警察、高級官僚などにただちにメスを入れ、教育や福祉、防災など国民サービスの分野は拡充すべきなのです。

 そもそも「全体の奉仕者」として国民に必要な行政サービスを担うのが公務員です。公務員が少ないほどいいというのは、国の責務を投げ捨てることになります。国民生活を守るうえで、いまは逆に、公務員が足りない分野は少なくありません。

 たとえば、「30人学級」を実現するには、新たに11万人の教職員が必要です。消防力の基準にたいし消防士6万人が不足しています。労働基準監督官は2859人に過ぎず、毎日1事業所を回っても全事業所を回るのに4・2年かかります。下請けいじめを監視し是正させる下請け代金検査官は専任が46人で、毎日1社回っても6年かかります。航空・鉄道事故を防ぐためのスタッフ、原子力や食品の安全を監視するスタッフも他の先進国と比べてきわめて貧困です。

 国家公務員についていえば、現在、国が給与を払う61万5千人(定員)のうち一番多いのは、自衛官で25万2千人、41%を占めます。

 財務省は昨年末、「中期防衛力整備計画」をつくるのにあたり、陸上自衛官(16万人)の4万人削減を提案しました。これ自体、「米ソ対立崩壊」のもとで控えめな数字でしたが、自民党の防衛族議員が「新たな脅威がある」と抵抗。結局、5千人削減にとどまりました。

 このほか、スパイ活動などが任務の“日本の秘密警察”ともいうべき公安調査庁(1千500人)など、削るべき部門はいくらでもあるのに指一本ふれようとしません。(喜)

 〔2005・10・1(土)〕


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