2005年9月30日(金)「しんぶん赤旗」

橋梁談合の23社が献金

自民党に９千８百万円

12年間で17億円　不当利得が還流

　国土交通省や日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁（きょうりょう）工事をめぐる談合事件で、談合組織のメンバー企業二十三社が二〇〇四年に自民党の政治資金団体に約九千八百万円を献金していることが三十日公表の政治資金収支報告書で分かりました。これらの企業は談合で契約額をつりあげており、国民からの税金や通行料が献金の形で自民党に還流する構図。公共事業のムダ遣いの点からも自民党の姿勢が問われます。

　公正取引委員会は二十九日、これら企業を含む談合企業四十五社に対し、独占禁止法違反で排除勧告しました。

　自民党の政治資金団体「国民政治協会（国政協）」に献金していたのは、橋梁工事をめぐる二つの談合組織「Ｋ会（旧紅葉会）」「Ａ会（旧東会）」のメンバー企業。このうち大手十七社でつくる「Ｋ会」では、十二社があわせて七千三百七十五万円を献金、「Ａ会」では十一社が約二千四百万円を献金していました。

　「Ｋ会」「Ａ会」の二つの談合組織の加盟企業から国政協への献金額は〇四年までの十二年間で十七億円にも達します。新日本製鉄が四億五百万円で最も多く、三菱重工業が一億八千万円と続きます。

　公正取引委員会が告発対象とした国交省三地方整備局発注の橋梁工事（〇二―〇四年度）の発注分のうち、談合に関与した五十社が受注した金額は約七百六十億円。これに公取委が過去の入札談合事件をもとに推定した、談合による不当利得の平均値１８・６％を当てはめると不当利得は約百四十一億円です。

　同様な計算で道路公団発注工事による不当利得は約三百四十一億円にのぼり、これらの企業は談合によって得た巨額の不当利得の一部を自民党に献金として出していたことになります。

■談合組織の自民献金

　（単位＝万円、04年)

【Ｋ会】

横河ブリッジ　199　

石川島播磨重工業　1090　

宮地鉄工所　62　

川崎重工業　131　

サクラダ　80　

新日本製鉄　2500　

住友重機械工業　78　

瀧上工業　25　

日本橋梁　17　

日立造船　78　

三井造船　115　

三菱重工業　3000　

【Ａ会】

川田工業　99　

高田機工　29　

栗本鉄工所　74　

宇部興産機械　30　

大島造船所　15　

神戸製鋼所　1000　

佐藤鉄工　6　

住友金属工業　1000　

辻産業　9.6

日本車輌製造　225　

ハルテック　10