2005年9月30日(金)「しんぶん赤旗」
青年会議所が憲法案を発表
9条全面改定で「軍隊を保持」
全国の若手経営者で組織する日本青年会議所(JC=高竹和明会頭)は二十九日、「二〇〇五年日本国憲法草案」を発表しました。日本青年会議所は一九九〇年代初めの湾岸戦争当時に憲法見直しの検討をした経緯がありますが、憲法草案をまとめたのは初めて。部内の論議を踏まえ来年度以降も逐次修正を施すとしています。
草案は前文と十二章九十九条からなっています。「天皇は日本国の元首」と明記、現行九条については全面改定し、「侵略戦争は行わず、また他国による侵略戦争を是認しない」としたうえで「軍隊を持つ」と規定し、「国際的な共同行動へ積極的に貢献」するため「軍隊を参加させる」と海外での武力行使を容認しています。
国民の義務に「社会貢献」「国の歴史、伝統および文化を尊重」を盛り込んでいます。政党に国政選挙時にマニフェストの明示を義務付け、「政党法」を設けるとしています。
首相に緊急事態宣言を発し「軍隊およびすべての行政機関を統制する」と強い権限を付与しています。
高竹会頭は「各種の改憲案が発表されているが、日本の歴史と伝統・文化、なんでもアメリカに委ねていいのか、という立場を踏まえて草案づくりに臨んだ」と話しています。