2005年9月30日(金)「しんぶん赤旗」
サッカーくじ赤字隠し
昨年度決算で約154億円
サッカーくじ(toto)を運営する「日本スポーツ振興センター」の累積赤字が二〇〇四年度決算で約百五十四億円にのぼりながら財務諸表に計上がなく、事実上の「赤字隠し」になっていたことが会計検査院の指摘で分かりました。
「日本スポーツ振興センター」は、販売業務などを委託しているりそな銀行への債務を〇三年度決算の財務諸表の貸借対照表に計上せず、注記事項にのみ掲載。収支が均衡している形で公表していました。
サッカーくじは旧大和銀行(現りそな銀行)が運営委託を受け、販売店への端末機設置など約三百五十億円を肩代わりし、センターが毎年七十億円ずつ返済する予定でした。
しかし、同くじの売り上げは〇一年度約六百四十三億円▽〇二年度約三百六十一億円▽〇三年度約百九十九億円▽〇四年度約百五十七億円と年々減りつづけたため、銀行への返済も〇二年以降滞っていました。にもかかわらずセンターは決算で先送りした返済費用として計上せず、赤字が分かりにくくなっていました。
決算の監査は、カネボウの粉飾決算事件で公認会計士四人が逮捕された中央青山監査法人が担当していました。
■石井郁子衆院議員 今やめるとき
今回明らかになった問題は、私も「初期投資の返済が滞り、赤字になっている」と八月三日の衆議院文部科学委員会で指摘したところですが、それを裏付ける結果となりました。
売り上げを増やすため、国会答弁を無視して当たる確率の極めて高いtotoゴール3の販売や、二百四十三分の一というさらに確率の高いくじの販売を予定するなど、ギャンブル性をより強めようとしています。それとともに対面販売を原則とするとしていたものをインターネット販売や携帯電話販売などで十九歳未満販売禁止を事実上踏みにじろうとしています。
やればやるほど赤字になり、スポーツ予算も減らし、ギャンブル性を高め、青少年に悪影響を与えるサッカーくじはいまやめるときです。
▼サッカーくじ サッカーのJリーグの試合を対象に、勝敗や得点を当てるくじ。スポーツ振興の財源を確保するとして二〇〇一年から導入。日本共産党は当初からサッカーくじは、スポーツにギャンブルを持ち込み、スポーツ振興をゆがめることになると反対の立場を貫いてきました。他党は、自民党が賛成、公明党、民主党、社民党は一貫した態度を示せませんでした。