2005年9月30日(金)「しんぶん赤旗」
政党助成金 この10年
税金3126億円 山分け
自民、民主、公明、社民など
日本共産党は廃止求める
政治資金報告
一九九五年から始まった政党助成金の総額が二〇〇四年までの十年間で三千百二十五億九千六百万円に達することが、総務省の政治資金収支報告書で分かりました。制度導入十年を機に三十日付官報の〇四年分政党助成金使途報告で公表されたもの。日本共産党以外の各党が国民の税金を山分けし、依存を深めている実態が明らかになりました。
日本共産党は国民の納めた税金が支持しない政党にも強制的に回される制度が思想信条の自由を侵すとして廃止を求め、受け取りを拒否し続けています。
主な政党が受け取った総額は自民党千四百七十億二千百万円、民主党六百十九億五千万円、社民党二百六十六億五千四百万円、公明党二百十一億一千八百万円です。(グラフ)
各党は制度導入以来政党助成金への依存を深め、〇四年の各党収入に占める政党助成金の割合は自民58・8%(前年59・9%)、民主83・6%(同84・6%)、社民52%(同61・1%)、公明18・4%(同16・8%)となっています。
一方で支出も半分以上を助成金に頼る実態が明らかになりました。〇四年の本部支出に占める政党助成金の割合は56・7%(前年55・8%)と過去最高にのぼりました。
各党が政党助成金から支出した十年間の金額合計は三千二十二億四千三百万円です。
使い残した分は「基金」として積み立てられ、各党は“ぬれ手で粟(あわ)”で税金を分け取りしながら百億円以上もためこんでいます。
■年間317億円
■子育て支援予算上回る
年間三百十七億三千百万円の政党助成金はどのような予算に匹敵するのか。
切実な子育て支援である保育所の待機児童解消予算は二百八十三億円(〇五年度予算)と助成金に及びません。介護保険のホテルコスト(施設居住費など)徴収で国庫負担を四百二十億円(十月からの半年分)も削減しますが、これもムダな税金分け取りをやめれば捻出(ねんしゅつ)できる額です。
「ムダ遣い一掃」(民主党)、「ムダゼロの推進」(公明党)などというならまず足元の政党助成金こそ削減するのが筋です。
▼政党助成金 小選挙区制と同時に導入され、一九九五年から実施されました。赤ちゃんからお年寄りまで国民一人あたり二百五十円、年間計三百十七億円の税金が自民、民主、公明、社民など受け取りを表明した各党に議席数と得票数に応じて配分されます。