2005年9月29日(木)「しんぶん赤旗」

ブレア首相

イラク撤退を否定

反英感情の高まりは認める


■英労働党大会

 【ブライトン=岡崎衆史】ブレア英首相は二十七日、英国南部のブライトンで開催中の英労働党の年次大会で演説し、イラク政策について、治安の悪化や反英感情の高まりを認めながらも英軍の撤退は否定しました。

 同首相は、「イラクは今、極めて悲惨な状況にある」と述べ、(1)英軍が駐留する南部のバスラで数百人が同軍に投石した(2)バグダッド周辺で数千人の武装勢力が活動している(3)罪のない人々が死亡している―ことを認めました。

 しかし、「罪のない人が死亡するのを食い止めるために」必要なのは軍であり、「退却や撤退、狂信者やフセイン政権の遺物に人々を引き渡すこと」は問題外だとして、撤兵を否定。その上で、英国のイラクでの役割を「英国民が享受しているのと同じ民主主義の下で、イラク人が自らの政府を決める権利を擁護することだ」と述べました。

 また、英国が米国とともにイラク戦争を開始したことに触れ、「二〇○一年九月の同時テロ以来、われわれの立場が米国とともにあることに疑問を持ったことはないし、今も持っていない」とし、米国との「強力な同盟関係」を改めて強調しました。

 一方、内政問題についてブレア首相は、グローバル化する今日の世界は、労働党が十八年ぶりに政権に返り咲いた一九九七年よりも変化が速く、これに応じて労働党ももう一度生まれ変わる必要があると強調。とりわけ、医療や教育改革で、競争原理を持ち込むことを表明しました。

 医療費が無料の国民医療制度(NHS)については、「かつての一枚岩を破壊し、新しい医療提供者を参入させ、患者に選択肢を認める改革を続けなければならない」と述べました。


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