2005年9月28日(水)「しんぶん赤旗」
日歯連事件
「迂回献金あった」
村岡元官房長官側が陳述
■料亭会合出席 青木氏認める
東京地裁で二十七日開かれた自民党旧橋本派(平成研究会)の一億円ヤミ献金事件の公判で、元官房長官・村岡兼造被告(74)側が冒頭陳述をおこない、「迂回(うかい)献金により、国政協(国民政治協会=自民党の政治資金団体)を経由して特定の自民党議員に献金される場合もあった」と主張しました。被告側は今後の公判で迂回献金を立証することになり、「迂回献金はなかった」とする小泉首相らの弁明と大きく食い違う事態になっています。
冒頭陳述で弁護側は、二〇〇〇年十二月におこなわれた日本歯科医師連盟(日歯連)から橋本龍太郎元首相への一千万円献金についても迂回献金と指摘。「(自民党本部の)元宿仁事務局長が関与し、事後的に国政協から一千万円の領収書が発行され、いわゆる迂回献金としての体裁がとられた」とのべ、元宿氏が迂回献金に深く関与していたことをあらためて明らかにしました。
また、弁護側は、橋本元首相と日歯連の臼田貞夫前会長=有罪確定=との「関係修復」のため、元宿氏が一千万円の迂回献金や一億円ヤミ献金の橋渡しをした、と主張しました。一億円小切手の受け渡しをした料亭での会合についても、日歯連側が献金額や出席者の人選は元宿氏に相談、依頼したと強調。自民党本部事務局長にも重大な責任があることを浮き彫りにしました。
この日の公判で、自民党の青木幹雄参院議員会長(71)が弁護側の証人として出廷。一億円の小切手が授受された料亭会合への出席については「正確に覚えていないが、出席したみなさんが『私がいた』と言っているので否定はしない」と事実上出席を認めました。しかし、一億円献金の不記載を決めた〇二年三月の平成研の幹部会については「いっさい記憶にない」などとする答弁に終始、疑惑を否定しました。