2005年9月27日(火)「しんぶん赤旗」
米国産の牛肉輸入再開
答申原案に異論続出
プリオン専門調査会
BSE(牛海綿状脳症)汚染が懸念される米国産・カナダ産牛肉の輸入再開問題で、輸入牛肉の安全評価を審議している食品安全委員会のプリオン専門調査会(座長、吉川泰弘東大大学院教授)が二十六日開かれました。米国産牛肉のリスクは日本と「同等」として輸入に道を開く答申原案にたいし、委員からは「結論ありきにみえてしまう」「仮定をもうけて同等であるという表現は削除すべきだ」などの異論、削除要求の意見が続出しました。結局、次回再修正した評価案をあらためて議論することになり、米国産牛肉のリスクについての専門家の厳しい意見があらためて浮き彫りになりました。
提示された修正原案は、米国産牛肉について、日本向けの輸入牛はすべてせき髄除去と洗浄がおこなわれることを前提にしたうえで、枝肉がせき髄のBSE病原で汚染されることは「日本と同様に無視できる」と指摘。二十カ月以下の月齢判定が困難な内臓肉も「危険部位の除去が適切に行われていれば、(日米の)リスクは同等である」などと比較評価しました。
これにたいし、委員からは、「除去が適切に行われていればとか、適切に除去すればという仮定で同等というべきではなく、削除すべきだ」「リスクの違いを評価することが必要」などの指摘が出されました。さらに「食肉処理前の検査は日本と同等ではない」「(米側の)上乗せ条件には(リスク抑制につながる)検査の項目ははいっていない」などと指摘する意見があいつぎました。
他の委員も、米国の食肉解体の流れ作業のなかで、生後二十カ月以下の牛の肉を「どうやって区別するのかわからない」などと疑問を提示しました。