2005年9月23日(金)「しんぶん赤旗」
中国人戦後補償裁判
公正な判決求め宣伝
最高裁前 支援団体が共同行動
日本の侵略戦争により心身に損害を受け、戦後六十年がたったいまも裁判で係争中の中国人被害者を支援する各市民団体は二十二日、東京・千代田区の最高裁判所前で「公正な判決を求める」要請をしました。最高裁前での共同行動は初めて。
「日本の良心の府である最高裁判所が正義と公正な立場で、後世の歴史に残るような判決を出すよう要請」すると訴えるビラを、参加者約二十人が出勤する裁判所職員や周辺の会社員らに朝八時半から配布。用意したビラ八百枚は一時間の行動でほぼなくなり、関心の高さを示しました。
参加したのは最高裁に上告している強制連行・強制労働の劉連仁事件と福岡事件、「慰安婦」事件、住民虐殺の平頂山事件、七三一部隊による人体実験・南京大虐殺・無差別爆撃事件の各訴訟支援団体と「中国人戦争被害者の要求を支える会」。日本中国友好協会と中国「残留日本人孤児」の二、三世で組織する中国帰国者二世・三世の会も連帯しました。
「支える会」常務委員の渋谷廣和さん(69)は「最高裁は加害の事実を認定している地裁と高裁の判決をきちんと受けとめ、公正な判断をしてほしい。(政府には)謝罪と賠償を求めていく」と話し、実現のため世論を高めていく必要性を語りました。