2005年9月23日(金)「しんぶん赤旗」

兵士を今すぐ帰せ

米国 反戦の母 首都到着

イラク撤退世論最高に


 【ワシントン=鎌塚由美】米ギャラップ社が二十一日に発表した世論調査によると、「イラクへの派兵で米国は過ちを犯した」と考える人が59%、「米軍のイラクからの全面または一部撤退を支持」する人が過去最高の63%になるなど、イラク戦争に固執するブッシュ政権への批判が高まっています。首都ワシントンでは二十四日、イラク戦争開戦以来、最大規模となる反戦デモ(「平和と正義のための連合」「国際ANSWER」共催)が予定されています。

 この二十四日の反戦デモを目指して各地で反戦行動を続けてきたバスがシンディ・シーハンさんを乗せて二十一日、最終目的地のワシントンに到着しました。

 イラク戦争で息子を亡くし、ブッシュ大統領にイラク戦争の「崇高な大義は何か」と問いただそうと大統領のテキサス州の自宅農場近くで座り込みをしていたシーハンさんら一行は、八月三十一日にテキサス州を出発。三コースに分かれ、二十八州、五十一都市を訪問し「彼ら(兵士ら)を今すぐ帰せ」と二百にのぼる反戦行動を行ってきました。

 ワシントンに到着したシーハンさんは、みずからが代表を務める「戦死者平和遺族会」のほか、「声をあげる兵士家族の会」や「平和のための退役軍人会」の仲間とともに議事堂を背に記者会見。「バスツアーで訪れた各地では、圧倒的な支持で迎えられました。民主主義を取り戻せたことを喜びたい。この民主主義を首都にも持ち込み、状況を変えなくてはなりません」と訴えました。また二十四日の反戦デモへの参加で、「ブッシュ政権、議会、メディアに対して、兵士たちが帰還するまで私たちは立ち去らず、活動しつづけることを示したい」と語りました。

 ツアーに参加した「声をあげる兵士家族の会」のアン・レースラーさん(カリフォルニア州在住)の息子は現在、従軍中。「従軍する兵士には戦争に反対する表現の自由がない。息子は私の権利行使を誇りにしている」と述べ、「ブッシュ大統領だけではなく全国から選出された議員に、私たちの愛する人たちが死んでいく『崇高な大義』は何かと問わなければならない」と語り、米軍撤退に向けて議会への働きかけをいっそう強めると述べました。

 二人の息子と三人の孫がイラク戦争に従軍している元軍人のフィル・ウェイストさん(ジョージア州在住)は、「国を守るためにと子どもたちに従軍をすすめたことを後悔している」と苦しい胸の内を語りました。「議会も間違った情報で戦争に賛成した誤りを認めてほしい。今こそ戦争をやめるように」と訴えました。また妻のリンダさんは、「イラクでの犠牲は物ではなく、一人ひとりの人間です。議会は、戦争をやめ、帰還させた兵士を手厚く保護すべきです」と語りました。

 一行は、ブッシュ大統領への書簡に署名し、ホワイトハウスに届けました。


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