2005年9月21日(水)「しんぶん赤旗」
定率減税全廃の方向
谷垣財務相が改めて表明
所得税と個人住民税の税負担を軽減する定率減税について、谷垣禎一財務相は二十日の記者会見で「経済情勢を分析して結論を出すべきことだ」としながらも、「(景気は)全体とすれば堅調。大きく言えば、昨年半分廃止したわけだが、そういった流れは変わってはいないのではないか」と述べ、改めて全廃の意向を表明しました。
○六年一月から減税規模を半分にすることが○五年度税制「改正」で決まっており、財務省は残り半分も〇七年一月から廃止することを〇六年度税制「改正」で決めたい考えです。
また、自民党の中川秀直国対委員長は十八日のテレビ番組で、定率減税の廃止時期について「○七年からどんなに遅くても○八年一月ごろだと思う」と述べ、早ければ○六年度税制「改正」で全廃されるとの見通しを示しました。
廃止されると、年収五百万円の会社員と専業主婦、子ども二人の世帯では年約三万五千円(半減で一万七千五百円)の負担増となります。
定率減税は景気対策として一九九九年に、大企業減税(法人税減税)や金持ち減税(所得税の最高税率引き下げ)とともに導入されました。「景気回復」を理由に増税が検討されているのは、サラリーマンなどを直撃する定率減税廃止だけです。
▼定率減税 所得税と個人住民税の税額をそれぞれ20%(上限二十五万円)、15%(同四万円)減らす措置。減税規模は所得税二・五兆円、個人住民税○・八兆円で、合計年間三・三兆円です。