2005年9月20日(火)「しんぶん赤旗」
JR脱線事故調報告
国交省が遺族説明会
“疑問とけない”と批判も
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JR福知山線列車脱線事故で、航空・鉄道事故調査委員会の報告について、遺族への説明会(国土交通省近畿運輸局主催)が十九日、兵庫県尼崎市内で非公開で行われました。五十八組九十六人が出席。遺族からは「なぜ事故が起きたのか、一番知りたいことについて説明はなかった」などの意見が出されました。
説明には事故調事務局の吉澤透総務課長らがあたりました。
説明会後、浅野弥三一さん(63)=兵庫県宝塚市=は「事故調の中立性とかいわれるが、被害者と加害者の真ん中が中立ではなく、真実を求めるのが中立の意味だ。その点で、事故が起きたメカニズム、設備や運転士がどういう状況だったのか、整理して中間報告として出してほしいと要望した」とのべました。
藤崎光子さん(65)=大阪市=は、「事故調の報告には私たちが知りたいことがなにもない。なぜ娘は殺されなければならなかったのか、被害をもっと少なくすることはできなかったのか、なぜこういう事故が起きたのか。JR西日本でないと語れないことがある。ぜひJRの口から聞きたい」とJR西日本の説明責任を指摘しました。
また、奥村恒夫さん(58)=兵庫県三田市=は「事故のメカニズム、自動列車停止装置(ATS―P)の設置が遅れた理由などを中間報告にもりこんでほしいといった。いま、JRは事故調の発表以外のことは、ただしてもいっさい受けつけない。よけいにJRへの怒りが強くなった」とJR西日本への静かな怒りを表明しました。
遺族の一部は会場で、JR西日本も事故原因を究明し、明らかにするよう求める署名活動を行いました。