2005年9月19日(月)「しんぶん赤旗」

主張

敬老の日

人類の大きな成果さらに前に


 きょうは敬老の日です。二千五百万人を超える高齢者の長寿をお祝いし、いっそうの健康と幸せを心からねがいます。

 長寿は、人類の希望であり社会進歩です。

 二〇〇二年にスペインのマドリードで開かれた第二回高齢化に関する世界会議でも、世界の平均寿命が一九五〇年以降の半世紀で二十年伸びたことを「人類の大きな成果の一つ」として、「祝福」しています。

■不安を取り除く政治を

 日本でも、終戦直後の一九四七年に比べ、平均寿命が約三十年伸びました。女性が八十五・五九歳で二十年連続して世界一です。男性も七十八・六四歳でアイスランドに次いで世界で二番目です。九十歳代の人も百万人を超え、百歳以上も二万五千人に達しました。

 長寿は、戦争と両立しません。戦後、日本の平均寿命が飛躍的に伸びたのも、侵略戦争の反省の上につくられた日本国憲法による平和への転換があったからです。

 長寿は、人類の尊い犠牲のうえにかちとった成果であり、これをだいなしにしないためにも憲法改悪は許されません。

 内閣府の「高齢者の日常生活に関する意識調査」(二〇〇四年十一―十二月実施)によると、将来の自分の日常生活への不安を感じる高齢者が67・9%にのぼっています。一九九九年に比べ、不安を感じる高齢者が増えており、理由として「生活のための収入」「健康や病気のこと」をあげる人の増加が目立ちます。

 小泉内閣と自民党、公明党は、医療、年金、介護の改悪を進めました。給付減と負担増の年金「改革」を「百年安心」などといって〇四年六月に強行しましたが、高齢者に安心ではなく、不安を与えたことは明らかです。

 高齢者は、高齢社会に必要な政策として、「老後を安心して生活できるような収入の保障」(52・6%)をはじめ、介護、住宅、バリアフリー、相談体制などを求めています。犯罪防止対策を求める人が九九年と比べ二倍以上に増えています。

 マドリード世界会議の行動計画でも、高齢者が「安心して尊厳をもって年を重ね、完全な権利を有する市民として社会に参加し続けることができるようにする」ことを求めており、政治の責任は重大です。

 長寿の安心と尊厳を支える生活保障のために、日々の生活をまかなえないような低い年金の底上げが急務です。

 国連の「経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会」の「最終見解」(二〇〇一年九月)も、日本政府に「最低年金を公的年金制度に導入することを勧告」しています。

 小泉内閣と自民党、公明党、民主党は、少子高齢社会に対応するためといって、社会保障のいっそうの切り捨てと、消費税・所得税の庶民大増税をねらっています。年金課税の強化はその前段です。

■高齢者とともに

 日本共産党は、総選挙で、「庶民大増税、社会保障改悪に正面から反対します」「『日本を戦争する国』にしないために―憲法をまもりぬきます」と訴えました。たしかな野党としての存在感を発揮してたたかいました。

 これらは、人類の大きな成果としての長寿を逆戻りさせず、さらに前にすすめるためにも大切な課題です。高齢者のみなさんとともに、心底長生きしてよかったといえる社会をつくるために全力をあげます。


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