2005年9月19日(月)「しんぶん赤旗」
日米共同演習のべ331日
04年度 イラク想定、市街地訓練も
自衛隊と米軍が二〇〇四年度に行った共同演習が、百回、のべ三百三十一日間に達することが、本紙の情報公開請求で防衛庁が開示した資料で分かりました。
■空中給油訓練も実施
特徴的なのは、〇四年一月から始まった陸上自衛隊部隊のイラク派兵を念頭に置いた共同演習が実施されていることです。
陸自第三師団の第三七普通科連隊(大阪)は〇四年九―十月にかけ、米国・グアムで、米海兵隊特殊部隊と都市型(市街地)戦闘訓練を初めて実施。訓練では、イラクと似た環境も設定し、米海兵隊ホームページは「今回の経験は、現在イラク・サマワに展開している…多くの兵士に役立つだろう」という陸自連絡幹部の言葉を紹介しています。
その後、第三師団を中心に編成された「第六次復興支援群」が、〇五年五―八月にかけイラクに派兵されました。
また、第三七普通科連隊は、グアムで海兵隊から得た教訓を陸自の各部隊に伝える「訓練担当者集合訓練」に参加。訓練を見学した米海兵隊中佐は「短期間で海兵隊のやり方をマスターした訓練隊の皆さんに敬意を表したい」と述べています。(自衛隊の準広報紙「朝雲」五月十二日号)
戦闘機の海外遠征能力を飛躍的に強化する自前の空中給油機導入(〇六年度)に備え、航空自衛隊は、米空軍の空中給油機から空中給油を受ける訓練を〇三年に引き続き実施(〇四年六月)。米軍から空中給油を受け、F15戦闘機六機をアラスカでの米空軍主催の多国間演習「コープサンダー」(〇四年七―八月)に参加させています。
共同演習全体の回数・日数は、〇三年度に比べ、二十回・四十五日減少しました。
しかし、日数減は、陸自と海兵隊との実動演習、空自と米空軍のグアムでの演習「コープノース・グアム」が中止になったため。いずれも米側の都合によるものです。
回数減は、海上自衛隊と米海軍の小規模の共同演習の減少が主な要因です。