2005年9月10日(土)「しんぶん赤旗」
論戦ではっきり
やっぱり必要たしかな野党
小泉純一郎首相は「郵政民営化に賛成か、反対か。改革の選挙だ」(八日大阪)の一本やりでしたが、問題はだれのための「改革」かということ。八月八日の衆院解散以来、一カ月の論戦ではっきりしてきたことは…。
▼小泉「改革」は財界のため
■郵政民営化
「自公が勝てば、郵政民営化を突破口に一連の構造改革が進む」。奥田碩・経団連会長は七日の記者会見でこう期待をあらわしました。
それもそのはず。小泉政治とは、“財界の財界による財界のための政治”なのです。郵政民営化も、国民の要求から出たものではなく、日米の大銀行・生保会社が仕掛けたものでした。
全国銀行協会と生命保険協会は今年二月、全国紙に一面使った意見広告を掲載するほど後押し。昨年十一月には、日米財界人会議で「郵貯・簡保が…本来的には廃止されるべきである」との共同声明を出しました。自分たちの邪魔になる郵貯・簡保はつぶして新たなもうけ口をつくろうというのです。
小泉首相は「公務員が減り、節税になる」「税収が増える」などと、“国民のための改革”を装いました。そのウソも、「郵政事業には税金は一円も使われていない」「公社は50%、民間会社は40%(赤字ならゼロ)の納付率」など日本共産党の指摘でたちまちばれてしまいました。
■庶民大増税
大企業には減税とリストラ支援、国民には増税と負担増の連続―これが小泉政治の四年間でした。郵政民営化を「突破口」にして、待ち構えている「改革」も、医療改悪、庶民大増税、憲法改悪など、庶民をいじめ、財界・大企業をうるおす「改革」にすぎません。
▼共産党、間違った政治正す
これまでのどの自民党政権より、財界応援の立場に徹する小泉政治。こうした小泉政治の「暴走」にストップをかけるには、自民党政治を大もとからただす立場と方針を持った「たしかな野党」日本共産党が伸びるしかない―これが選挙の論戦ではっきりしたことです。
■増税は民主も
郵政民営化でも、他の党は小泉流「民営化」には反対でも、民主流、国民新党流なら結構という立場。民主党は選挙に入って、「民営化か廃止か」と言い出し、「郵政職員八万人削減」と首切りを公言する幹部まであらわれました。民営化そのものにきっぱり反対を貫いているのは日本共産党しかありません。
財源と言えば庶民に増税と負担増を求めることしか思いつかないという点でも、民主党は自民党と同じです。現にマニフェストでは、「年金目的消費税」「配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除を廃止する」と増税路線を明記。それでいて最終盤には「大増税ストップ」を言い出すなどの迷走ぶりです。八十二兆円という空前の余剰金を抱える大企業に当たり前の負担をしてもらって財源をつくりだすことを提案しているのは共産党だけです。
■社民に不確かさ
共産党は、自民・民主に公明党も加わった改憲の流れに真っ向対決。国民の共同の力で阻止するため全力をあげています。社民党は民主党と選挙協力する「不確かさ」です。
間違った政治には体を張って反対、国民の要求実現に力をつくし、平和と友好の願いを世界に結ぶ野党外交を展開―こんな仕事をする「たしかな野党」日本共産党が伸びてこそ、政治を変える道が開けます。