2005年9月9日(金)「しんぶん赤旗」

紫外線から労働者守れ

欧州議会で法案可決

建設、農業など健康対策


 紫外線など有害な光から労働者を保護する指令(法律)案が七日、欧州連合(EU)の議会にあたる欧州議会の雇用・社会問題委員会で採択されました。今回は審議の第二段階にあたる第二読会での可決。今後の社会相理事会(各国担当閣僚による会議)で正式に採決されますが、屋外で長時間働く建設、農業労働者らの健康を守る法律の実現に近づきました。

 「光照射指令」と呼ばれるこの法案は、人工光、自然光を問わず、労働者が光を浴びて皮膚がんなど健康上の被害を受けないようEU加盟国政府に対策を法制化するよう義務づけるもの。

 光が人体に及ぼす影響を研究して許容量を定めることや、雇用主が労働者の健康診断に責任を負うことを求め、各国政府が具体策を法制化することになります。中小企業に対しては、EUの執行機関である欧州委員会が実用的な手引をつくることになっています。

 騒音、振動、電磁波、光から労働者を保護する法制をつくるとした一九八九年の社会相理事会決定にもとづき、EUはすでに光以外の三つの分野で規制のための指令を制定しました。光からの保護法制については今年五月から欧州議会で審議が本格化していました。

 今回採択された指令案では雇用主の責任や中小企業対策を議員提出の修正案で補強しました。

 EU指令は欧州議会と理事会が共同で決定するため、今回採択された案は社会相理事会に送られて審議されます。議会の第二読会で逐条審議を基本的に終えたことで成立の展望が出てきました。

(山田俊英)


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