2005年9月8日(木)「しんぶん赤旗」
イラク憲法草案
修正協議打ち切り
宗派間の対立高まる危険
【カイロ=小泉大介】イラク憲法草案の修正協議が六日、修正点に関するいかなる合意もなく打ち切られました。ロイター通信が当事者の話として伝えたもの。これにより、憲法草案約五百万部の印刷が八日にも開始され、十月十五日までに実施される国民投票に向け配布される見込みとなりました。
スンニ派のムトラク起草委員は協議打ち切りにたいし、「愚かで悲しむべき決定だ。もし草案が国民投票で承認されれば、イラクの政治情勢は悪化し、治安情勢は統制不能の状態に陥るだろう。草案否決の場合は、宗派間の緊張が増すことになる」と指摘しました。
イラク基本法(暫定憲法)は国民投票に関し、全十八州の合計で草案賛成が反対を上回っても、三州で反対が三分の二を超えれば否決されると規定。スンニ派は中西部の四州で多数派とされ、同地域ではすでに、否決をめざしたデモや集会が相次ぎ開催されています。