2005年9月8日(木)「しんぶん赤旗」

米のハリケーン

ブッシュ政権の対応遅れ

議会が独自調査へ


 【ワシントン=山崎伸治】米連邦議会は六日、ルイジアナ州ニューオーリンズなどメキシコ湾沿岸地域に膨大な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」へのブッシュ政権の対応について、議会として独自に調査する姿勢を明らかにしました。


 連邦政府としての避難・救援活動の立ち遅れが指摘され、活動の担い手となるべき州兵の多くがイラク戦争に動員されていた問題や、護岸工事の予算が削られるなど防災対策の不備に対して、国民世論、メディアから厳しい目が向けられているのを受けたものです。

 上院国土安全保障・政府活動委員会のコリンズ委員長(共和党)とリーバーマン委員(民主党)はそろって記者会見し、「カトリーナ」への政府の対応について調査を始めていると述べました。

 コリンズ氏は、「何年も前から予想され、何日も前から差し迫った警告がなされていた災害に対して、なぜ準備が不足し、初動の対応が有効でなかったのか理解に苦しむ」と批判。七日にも委員会で公聴会を開催する予定であることを明らかにしました。議会内からは、国土安全保障省創設の際に管轄下に置いた連邦緊急事態管理庁(FEMA)を、再び独立官庁に戻すべきだとする意見がすでに出ています。

 他方、ブッシュ米大統領も六日の閣議後、記者団に対し、チェイニー副大統領を八日に「カトリーナ」被災地に派遣し、停滞が指摘されている政府の復旧作業について調査すると語りました。ブッシュ大統領自身、すでに三度にわたり現地を視察しています。それでも、被災者から「政府の姿が見えない」と不満の声が出され、地元ニューオーリンズの新聞が「怒り」の公開書簡を掲載するなど、批判は高まる一方です。副大統領や重要閣僚を次々に派遣して批判をかわそうとしているところに、ブッシュ政権の苦慮ぶりがうかがえます。

 ブッシュ大統領は「何がうまくいき、何がうまくいかなかったのかを見いだすための調査をする」と表明しました。しかし、政府の対応をめぐって国土安全保障省のチャートフ長官らが批判されていることについては、「非難合戦を期待しているのだろうが、われわれがすべきなのは問題の解決だ」などと述べ、関係者の更迭には触れませんでした。


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