2005年9月7日(水)「しんぶん赤旗」
韓国軍1/3撤退検討
イラクから 世論悪化を考慮
韓国政府・与党がイラク派兵部隊を千人程度縮小する方向で検討していることが六日、明らかになりました。与党「開かれたウリ党」の金星坤・第二政策調整委員長が同日、韓国各メディアに語りました。撤兵時期は明言していません。
韓国は現在、米英両国に次ぐ約三千二百人の部隊をイラクに派兵。派兵期限は今年末までで、延長には国会の同意が必要です。派兵延長と規模縮小の同意を近く国会に求める見通しです。
金委員長は「派兵国のなかにも撤退または縮小を検討している国があり、派兵に対する韓国国民の感情と世論が悪化していることを考えれば、派兵規模の縮小は避けられない」と指摘。「政府レベルでは、適正な縮小規模は千人程度と判断しており、国防省もさまざまなシナリオを準備している」と言明しました。イラクの韓国軍部隊は三個旅団。このうち戦闘部隊の一個旅団を減らすことを検討中だといいます。
金委員長は「今年末になればイラクに正式の政府が発足するので、縮小は問題ないだろう。医療・工兵部隊の規模は維持し、戦闘要員を主に減らす」と述べる一方、「完全撤退は考えていない」と語りました。
韓国国会には、与野党三十一人の議員がすでに共同でイラク撤兵決議案を提出。主だった市民団体をはじめ三百五十以上の団体が「イラク派兵反対緊急国民行動」をつくり、政府に撤兵を要求しています。