2005年9月7日(水)「しんぶん赤旗」
JR西脱線
異常な運転を示唆
事故調中間報告 110キロ以上で進入
死者百七人を出したJR福知山線快速電車脱線事故で、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は六日、事故車両の運転記録などをふくむ事故調査の中間報告(経過報告)と、自動列車停止装置(ATS)の改善など四項目の再発防止策を盛り込んだ建議を北側国土交通相に提出しました。
報告によると、快速電車は、制限速度七十キロの右カーブ(半径三百四メートル)に時速百十キロ以上で進入。事故現場の百七十メートル手前から常用ブレーキがかけられていましたが、五十メートル以上走っても速度は落ちず、電柱に接触した地点でも百キロ以上のスピードでした。マンション衝突前後には非常ブレーキがかかっていましたが、運転士がかけた記録はありませんでした。また、事故前にも始発の宝塚駅での制限速度オーバーや、事故直前の停車駅だった伊丹駅でのオーバーランも記載。死亡した高見隆二郎運転士(23)の異常な運転を示唆しています。
しかし、運転士への懲罰的な「日勤教育」の影響、JR西日本の安全軽視、管理・監督問題などにはふれていません。心理面をふくめた原因調査の最終報告まで二年ぐらいかかる見込みです。