2005年9月5日(月)「しんぶん赤旗」
最高裁6裁判官の国民審査11日投票
衆院選と同時
最高裁判所の裁判官に対する国民審査の投票が、十一日の衆院選と同時に行われます。対象となるのは十五人の裁判官中、前回衆院選(二○○三年十一月)後に就任した六人です。
国民審査は、その裁判官が「憲法の番人」にふさわしいかどうかを国民が直接チェックする制度。罷免したいと考える場合は、その裁判官の欄に「×」を記入。何も書かない場合は信任とみなされ、「○」「△」などを書くと無効となります。
「×」が有効投票の過半数に達するとその裁判官は罷免されますが、罷免されたケースは過去に一度もありません。
六人の略歴と関与した主な裁判は次の通り(年齢は十一日現在、敬称略)。
古田佑紀(63)=最高検刑事部長、次長検事を経て〇五年八月就任。第二小法廷。盗聴法の制定、少年法の「改正」などに関与。
中川了滋(65)=元日弁連副会長、〇五年一月就任。第二小法廷。宮崎信金事件で内部告発者の解雇を無効とした高裁判決を維持。外交文書開示を命じた高裁判決を破棄差し戻し。
堀籠幸男(65)=最高裁事務総長、大阪高裁長官を経て〇五年五月就任。第三小法廷。薬害エイズ事件でミドリ十字の歴代社長二人の実刑判決を支持した決定に関与。
今井功(65)=最高裁民事・行政局長、東京高裁長官を経て〇四年十二月就任。第二小法廷。大学病院の研修医は労働基準法上の労働者に当たるとした判決に関与。
津野修(66)=元内閣法制局長官、〇四年二月就任。第二小法廷。旧日本軍の韓国軍人・「慰安婦」戦後補償訴訟で上告棄却。外国人職員の昇任拒否訴訟で合憲の多数意見。
才口千晴(67)=東京弁護士会副会長、法制審議会倒産法部会委員を経て、〇四年一月就任。第一小法廷。北九州市の情報公開訴訟で公開支持の高裁判決を破棄。非嫡出子の相続差別で違憲の反対意見。