2005年9月3日(土)「しんぶん赤旗」
貧困層に被害集中
ハリケーン自動車なく避難できず
【ワシントン=山崎伸治】ニューオーリンズ市内にとり残されて被災した人々の多くはアフリカ系住民、しかも自家用車など避難の手段がなかった貧しい人々です。
米国勢調査局によると同市の人口約四十八万人(二〇〇〇年)のうち67・3%がアフリカ系。その多くが貧困層です。
一日夕のCNNテレビはそのことを指摘しました。ニューオーリンズではハリケーン上陸前に退避命令が出されましたが、「彼らは命令にしたがわなかった。市外に出る手段がなかった。なかには病気の人もいる。自動車のない人もいる」といいます。
自然災害の被害を一番悲惨な形で背負うのが圧倒的に貧困層だというところに、米国の現状が透けて見えます。ますます進む貧富の格差の広がりが、生死を分けることになっています。