2005年9月3日(土)「しんぶん赤旗」
郵政・サラリーマン増税…
日テレ系番組 志位委員長が討論
日本共産党の志位和夫委員長は一日夜の日本テレビ系番組「きょうの出来事」に出演し、各党党首と討論しました。
冒頭、小泉首相は任期四年四カ月で「何を壊したのか」を各党党首がフリップで示しました。志位氏は「暮らし、平和・外交を壊した」と書き、(1)社会保障の非情な切り捨てやリストラなどで“弱肉強食”の社会がつくられた(2)イラク戦争への支持と自衛隊派兵、靖国参拝で日本の外交は八方ふさがりになった―と強調しました。
首相は「構造改革」で「不良債権処理」が進み、倒産件数も、失業率も減ってきたと発言しました。志位氏は、年間四千人もの中小企業経営者が自殺に追い込まれていること、失業の問題でも不安定雇用がどんどん増えて若者では二人に一人に達し、年収百万円以下が六割という状況になっていることを指摘。首相には「国民の痛みに対する理解がまったくない」と批判しました。
■郵政民営化合理化論の二つのウソ
郵政民営化の問題にテーマが移り、首相はフリップを示し「約三十八万人の公務員が民間人になる。税収増になる」と説明しました。
志位氏は、首相の説明には「二つウソがある」と述べ、(1)郵政事業は今も昔も独立採算で税金は一円も入っておらず、仮に民間人にしても税金の節約にはならない(2)郵政公社は利益の半分を国庫納付金として払うことになっており、民営化した場合の法人税よりも高い―ことを指摘。「国民を二つのウソでだまして郵政民営化を押しつけるのは許せない」と批判しました。
討論は、各党党首が「〇」「×」で質問に答えるコーナーに。「近い将来、消費税率アップは避けられない」という質問に民主党の岡田克也代表は「〇」を出し、志位氏は「×」を出しました。
首相は「〇」「×」のどちらも示しませんでしたが、「長い将来でみれば、消費税(増税)は避けられない」と明言。増税の時期については「自由に議論していただく。私の在任中は消費税はあげない」と、明確に答えませんでした。
志位氏は「衆院議員の任期は四年だ。総理の任期があと一年だからといって、『あとは勝手に自由に議論しろ』ではすまない」と指摘。自民党の武部勤幹事長が二〇〇七年度をめどにした税制改革で消費税の増税を認めていることをあげ、「四年間で消費税を上げるのか、上げないのか」と迫りました。
首相は武部発言について「間違っていない」とし、「上げる場合もあるし、総合的に見なければだめだ」と述べました。
■首相が所得税の「控除見直し」明言
この後、サラリーマン増税の問題が議論になりました。志位氏は、昨年十二月の「与党税制改正大綱」で所得税の「控除の見直し」方針が打ち出され、〇六年にそのための法改正を行うことまで書かれていることをあげ、「撤回しなければ増税をやるということになる。撤回するのか、しないのか」と追及。首相や公明党の神崎武法代表との間で、次のようなやりとりになりました。
神崎 所得税から地方住民税に税源移譲するさい、所得課税の見直しをやるということだ。
志位 控除の見直しをやると書いてある。配偶者控除、扶養控除をなくすということじゃないか。
小泉 控除の見直しも手当の増額も歳入と歳出、両方考えないといけない。
志位 控除の見直しをやるのか。
小泉 控除の見直しも当然やります。
志位 控除見直しを当然やると明言されたのは非常に重要だ。控除見直しというのは、大増税をやるということだ。
また岡田氏は「子ども手当をつくるために、配偶者控除、扶養控除を廃止する」と述べました。
討論の最後に「この国の新しいかたち」について各党党首がフリップを示し、志位氏は「国民が主人公」と書き、「今の日本は、外交はアメリカまかせ、内政はあまりにも財界中心。これを国民が主人公の日本に切り替えたい。これが私たち(が目指す)国のかたちです」と答えました。