2005年9月3日(土)「しんぶん赤旗」
首相 選挙でウソ困ります
郵政民営化
「税節約」「税収増」になりません
税金1円も使わず
民間より高額納付
「それ自体に二つのウソがある」――日本共産党の志位和夫委員長は、一日放映の党首討論(日本テレビ系)で小泉純一郎首相に迫りました。小泉首相のフリップ(図表をボードに張ったもの)には「常勤公務員26万人 短時間公務員12万人を民間人に 税収増も」の文言。ここにひそむ“二つの大ウソ”こそ、郵政民営化問題の核心です。
一つ目のウソは、“郵政公務員が三十八万人もいるから税金がどんどん使われる”というもの。
郵便局職員は、身分は国家公務員ですが、その給料には一円の税金も使われていません。郵政事業は昔から独立採算制で、そこからの収益で賄われているからです。民間の職員にすることで公務員数を減らしても一円の税金の節約にもならないのです。
二つ目のウソは“民間企業になれば税金を納めるようになり、税収が増える”というもの。しかし郵政公社は、税金の代わりに利益の五割を国庫に納付することになっています。民間の法人実効税率(約四割)より高いのです。
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政府自身の試算では、二〇一六年の時点で、民営化された場合の法人税などが三千二百四十五億円。一方、公社の国庫納付金などの負担は三千八百三十六億円です。公社の方が、六百億円近く多く国の財政に貢献することになります。
しかも、民営化された郵貯銀行が赤字になれば、国に納める税金はゼロになってしまいます。
こんな大ウソをふりまき、国民生活に役立っている郵政事業をズタズタにするのはなぜでしょう。“郵貯・簡保が自分たちの商売の邪魔になる”といって、アメリカ政府と日米の銀行・保険業界が執ように小泉内閣に郵政民営化を要求しているからです。全国銀行協会と生命保険協会は郵政民営化法案が問題になったとき、大手五大新聞に法案支持の全面広告を出したくらいです。郵政民営化で小泉首相がいう「官から民へ」の「民」は、国民でなく、民間大企業の「民」です。
■日本共産党は反対貫く
日本共産党は、郵政民営化には反対です。郵便局の全国ネットワークとすべての国民への基礎的金融サービスをまもるためです。
大銀行や保険会社はもちろん、企業から献金は一円も受け取らない政党だからこそ、利用者の立場にたって、反対を貫けるのです。