2005年9月2日(金)「しんぶん赤旗」
「郵政民営化が最大の争点」のはずが
公明党が“反対派”応援
比例票ほしさ
公明党は「郵政民営化に賛成か反対かを問う選挙だ」(神崎武法代表の第一声)とし、「郵政民営化法案をつぶした人たちをこの選挙で勝たせてはならない」(同代表、一日)とまでのべています。しかし、そんなパフォーマンスとは裏腹の事態が進行しています。
公明党は、郵政民営化法案に反対し自民党の公認をもらえなかった候補がいる二十二の小選挙区では、自民党の公認候補を推薦していません。逆に反対派を支援する動きが始まっているのです。
大分1区では公明党大分県本部が反対派候補の全面支援を決定。福岡11区では公明党県議、市議らが支援を表明しています。「自主投票」を決めて反対派支援を黙認する動きも広がっています。
岐阜1区でも、反対派の野田聖子元郵政相を支援。野田陣営は「自民党掲示板」に神崎代表のポスターを張っています。
「郵政民営化賛成」を小泉首相に誓った自民党公認候補ではなく、反対派を支援するとはいったいどういうことか。公明党のねらいは、比例票の獲得です。
反対派候補の大半は、前回総選挙で公明党の支援を受け、見返りに公明党に比例票を差し出した実績があります。一方、送り込まれた刺客は、自民党の比例票増がねらいのため、見返りは期待できません。
地方の公明党が、マスコミにあからさまに語っています。「比例を主体に戦う県本部」(大分県本部代表)、「公認の新人二人は組織力が弱く選挙協力は難しい」(山梨県本部代表)。
地方だけでなく、神崎代表はこう語っています。「政治だから、従来の人間関係や地域の事情もある。事実上応援するような地域が若干出てくるのはやむを得ない」(「毎日」八月二十四日付インタビュー)。公明党そのものが、反対派支援を認めているのです。
反対派陣営関係者は「公明党(創価学会)の支援はもらえるようになったが、見返りの比例票の要求はきつい。その分、自民党の比例票が減るのは確実だ」といいます。
自民党公認より反対派を支援する公明党。選挙公約の「郵政民営化」よりも、手段を選ばない票集めを優先しているのが公明党です。