2005年9月1日(木)「しんぶん赤旗」

中小企業は「日本経済の主役」

小泉政治では「処理と倒産」の対象に

日本共産党は対策に真正面から取り組みます


 企業数の99%、従業員数の約七割、製造業の出荷額で半分以上を占める中小企業は「日本経済の主役」です。ところが、小泉・自公内閣は、中小企業を「処理と倒産」の対象とみなし、中小企業予算・対策もひどい手抜きをしています。日本共産党は、いまこそ中小企業対策を拡充する政治にきりかえることが必要だと主張しています。


■地域再生・中小企業経営支援の行政に

 原油価格や鉄鋼材の高騰などが、中小企業の経営危機に拍車をかけています。

 荷主による運賃価格引き下げ強要、軽油の値上がりは、多くのトラック運送業者を赤字や倒産の危機に追い込んでいます。

 機械金属部品の加工業者は、鋼材の大幅値上げを加工単価に上乗せできないでいます。

 地域経済の再生をはかるには、こうした中小企業の経営への直接的な支援こそが求められます。しかし、中小企業予算は千七百三十億円(二〇〇五年度)で、米軍への「思いやり予算」二千三百七十八億円より少なく、国の予算(一般歳出)に占める割合はわずか0・37%です。

 経済産業省の研究開発補助金は、日立、三菱重工業、東芝などの上位十社だけで四百六十五億円ですが、中小企業全体では八十九億円にすぎません。(〇四年度)

 自公政権が、いかに大企業に手厚く中小企業に冷たいかが、ここにも表れています。

 日本共産党は、大企業による原材料の不当な取引をやめさせるとともに、経営危機打開のために行政の援助を強めるよう、政府に要求します。

 中小企業予算を少なくとも一般歳出の2%、一兆円程度に増やし、経営基盤を強化する支援をおこないます。

 技術力はあるが資金力に乏しい中小企業にこそ、「研究開発補助金」を注ぎ込むべきです。

■中小企業への資金供給金融行政の中心に

グラフ

 小泉内閣は「不良債権の最終処理を行うことにより、資源が成長分野に流れていく」(〇一年六月決定の「骨太の方針」)として、中小企業への貸しはがし・貸し渋りをすすめてきました。その結果、大銀行の不良債権は大幅に減りましたが、中小企業倒産は小泉内閣の四年間に六万六千件を超え、同じ時期に中小企業向け貸し出しは五十五兆円も減ってしまいました。

 「景気回復」といわれる中でも、中小企業の状況は水面下に沈んだままです。

 大企業は史上空前の利益をあげ、「金余り」は大企業を中心に八十二兆円という試算もあります。一方でこの「資源」は「成長分野」に回るどころか、自社株買いなど株価対策に費やされ、賃上げなどを通じた消費の回復、経済全体の回復には結びついていません。

 日本共産党は、日本経済の本格的回復のためにも、中小企業を貸しはがし・貸し渋り、倒産に追い込む政策はただちに転換すべきだと主張しています。

 資金を必要としているところに融資し、中小企業と地域経済の再生を支援する、本来の金融行政にきりかえます。

 中小企業と金融機関の「懸け橋」となっている信用保証協会の保証機能の改悪をやめ拡充すべきです。

■大型店の身勝手を規制納税者の権利守る

グラフ

 単価はたたかれ、納期は無理強いをされる、それがいやなら仕事を打ち切ると脅される―こんな大企業の横暴勝手が当たり前になっているのは日本だけ。支払いの遅延など下請法違反行為も増加しています。親企業と下請け企業との対等平等な関係を築くことが求められています。

 欧米では、九〇年代に入り、大型店の郊外進出による乱開発と都市の空洞化が大問題になり、「規制緩和」から大型店の規制へと大きく転換してきました。ところが、日本は「大型店は規制してはならない」という異常な状況があります。

 サミット(主要国首脳会議)参加国のうち、納税者の権利を守る「納税者憲章」がないのは、日本とロシアだけです。

 日本共産党は、下請検査官を大幅に増員し、下請代金支払遅延等防止法や下請中小企業振興法を改正・強化して、大企業にたいする中小企業の地位の向上をはかります。

 大型店の出退店や営業時間などのルールを確立し、大型店の横暴から商店街、地域経済を守ります。

 納税者の申告納税権や税務署の推計課税を限定するなど、納税者の権利を守るルールをつくります。

■民主党の「財政健全化プラン」/中小企業対策費を削減

 中小企業支援として、予算の倍増や中小企業金融の円滑化などを公約の柱にしていますが、一方で中小企業対策費について、「既存事業について年平均3%の削減を通じ、四年間で一割の削減を行う」(「財政健全化プラン」)と削減の方向を打ち出しています。


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