2005年9月1日(木)「しんぶん赤旗」
仏紙 小泉政策 不平等強めた
日本の総選挙で論評
【パリ=浅田信幸】八月三十一日付仏紙ルモンドは日本の総選挙について、国際面の一ページ全面を使って報道、強い関心を寄せています。その中で小泉首相の政治手法を論じた解説記事は、首相の政策が「ウルトラ自由主義と国家権威主義の混合物」だと断定し、「地方間格差と社会的不平等を強めた」と批判的に報じました。
解説は、小泉人気の理由が「断定的な発言で一部世論の漠然とした期待に応えている」ことにあるが、小泉首相は政治がどこに向かうのか説明もしないと指摘。
また「小泉現象」は小選挙区制の導入と政治資金規正法の改正で自民党派閥体制の効率性が失われたために生じたと分析しています。
解説は最後に、「小泉氏の宣伝、扇動の背後に社会プロジェクトはほとんど見えない。彼は戦略家であるよりも策略家、新秩序の創出者であるよりも過渡期の人物に見える。彼は建設するよりも破壊する。その中で、みずから推進者の一人である右翼的潮流と結合した人気は憂慮すべきことだろう」と締めくくっています。
■自・公選挙の実態は… 英ロイター通信
英ロイター通信は三十一日、「自民党の『マドンナ』擁立は化粧直し」だと題する記事を配信しました。小泉首相は、党の新しい顔として「マドンナ」候補を擁立しているものの、それは「上っ面をなでているだけで、見かけ倒しだ」と述べています。
同記事は、候補者の顔ぶれを紹介した上で、小泉首相は女性票の獲得を狙い女性候補を増やしたものの、「全候補の8%しかいない」と指摘。「従来どおり、二世、三世議員で候補者名簿を牛耳り」、その数は30%に上ると紹介しています。同通信はまた、公明党・創価学会の選挙活動について、「政治プラグマティズム(実用主義)に導びかれる仏教セクト」と題して報じました。
記事は、「日本で最も政治的に活発な仏教セクトのメンバーたちには、総選挙では宗教的原則よりもプラグマティズムが優先する」と述べています。
公明党と創価学会の関係については、「一九七〇年に公式に分離されたが、大多数は依然として、創価学会の候補者承認に従おうとする公明党の忠実な支持者」だと紹介しています。