2005年8月29日(月)「しんぶん赤旗」
「…この声なき悲鳴を 共産党が代弁してください。」
警察官から手紙
過酷なノルマと超過勤務
幹部は選挙で共産党敵視
現職警察官から警察幹部の横暴と過酷な労働条件の改善を訴える手紙がこのほど日本共産党に届きました。その要旨を紹介します。
警察の現状について大きな憂いと不信感を抱いています。説明してもとうてい理解していただけないような過酷な厳しいノルマ(交通違反検挙件数や職質による刑法犯検挙件数など数十項目に及ぶ管理目標)を課せられています。
■非直の日も命令
一カ月単位で集計し達成できなければ、課長、署長から厳しく叱責(しっせき)され、始末書をとられます。二―三カ月も目標未達成なら、実績低調者として本部(地域課)に招致され罵(ば)声を浴びせられて叱責されます(これを招致教養と言っています)。
私は三交代勤務で当直、非直、労休を繰り返します。当直は二十四時間勤務でほぼ徹夜勤務(朝九時十五分から交代勤務者が来る翌日の午前十時まで)です。当直勤務は事件事故の対応処理や交通違反検挙のための警ら活動を強いられていますので仮眠の四時間はほとんど寝ることもできません。
しかし私たちは非直の日も「非直勤務で実績を上げろ」と命令され、帰宅することもできずに、制服で交通取り締まりや張り込みによる刑法犯検挙をさせられる毎日です。労休日もノルマ達成のため街頭で取り締まりの仕事をさせられることが多いのです。
■9割はピンハネ
このように月百時間から多い月は二百時間くらいの過酷な超過勤務をさせられますが、超過勤務手当はほとんど支給されません。正規に計算した金額の約5―6%くらいが支給されます。九割強はピンハネされています。事実なのです。
このことについては、幹部は「警察はただで働かせて使うことができる。いやなら辞めろ、おまえに支給する給料で若いやる気のある警察官が採用できる」と脅し口調でいつも言っています。私は、家族を路頭に迷わすわけにはいきませんのでじっと我慢しています。
■共産党を重点に
この度、衆議院が解散された関係で「選挙違反取り締まりで当分休みは与えない」と言われました。幹部が自由に休日をとりあげて問題がないのでしょうか。
違反があれば投票日後も、さらに二カ月くらい続けて不眠不休で被疑者の逮捕、捜索等の違反捜査の補助に従事させられます。違反情報がなければないで「よその署は違反事件捜査に着手しているのになぜ当署は違反情報をつかめなかったのか」と八つ当たりします。一日も休みがなく数カ月、毎日毎日酷使されることなど想像できますか。家族も犠牲者です。
選挙時は「共産党候補の違反を重点に徹底した掘り起こし聞き込み捜査をしろ」と幹部は内部で指示しています。もちろんマスコミや外部にはこのようなことは言いません。どうして幹部は共産党を敵視するのかわかりません。
組合がないので幹部は組織を私物化してやりたい放題です。下級警察官は組合がないばかりに声をあげることも、言いたいことも言えずにじっと耐えているのです。
この全下級警察官の声なき悲鳴を共産党がどうか理解して代弁、追及してください。この文書は同僚二名と一緒に書いていますが、各署の下積み警察官は全員同じ気持ちです。
この実態を労働基準監督署や人権擁護をおこなう法務局にも知らせていただいて善処していただければとすがる思いです。どうかよろしくお願いいたします。