2005年8月29日(月)「しんぶん赤旗」
イラク戦争 “もうたくさんだ”
米大統領の地元で集会
賛成派も対抗
■ブッシュ氏 「さらに犠牲が必要」
米国ではブッシュ大統領の地元テキサス州クロフォードでの「反戦の母」たちの行動をきっかけに、イラク戦争と派兵継続の是非をめぐる論議が新たな高まりをみせています。
最新のギャラップ社の世論調査では、ブッシュ大統領のやり方を支持しているのは五人のうち二人に過ぎず、56%の人が不満を抱いています。
ロイター通信によると二十七日、クロフォードでは大統領が休暇を過ごしている農場近くで、「反戦の母」とその支援者ら約二千人(主催者発表)が集会を開きました。
集会では、ベトナム反戦運動で活躍したフォーク歌手ジョン・バエズさんのよびかけで賛美歌「アメイジング・グレース(いかなるめぐみぞ)」をみんなで歌いました。
また、自分の息子のイラクでの戦死の理由を直接、ブッシュ大統領に会って聞きたいと抗議行動を続けるシンディ・シーハンさん(48)は、「私たちの運動は、イラクでの戦争を終結させつつあると思う」と発言。彼女が、「あなた(大統領)はどれだけ多く(の兵士)が犠牲になれば、もう十分だというのですか? どれだけ多くの人が、うそとごまかしのために犠牲を払い続けるのでしょうか?」と問いかけると、「(犠牲は)もうたくさんだ」と参加者は叫びました。
一方、同じく子どもがイラクで戦死するとか今も参戦中である兵士の親たち約千五百人が、クロフォードの別の場所で「反戦の母」の行動を非難し、大統領の戦争政策を支持する集会を開きました。祈りで始まったこの集会の組織者ハワード・カローギアンさんは、シーハンさんを「われわれの敵に希望と激励を与えている」と批判。「シーハンは家へ帰れ」の唱和があがりました。
ブッシュ大統領は二十七日、ラジオで「われわれがイラクや中東での問題を解決するには、さらに時間と犠牲が必要」と語り、「反戦の母」たちの撤退要求を拒否しました。(宮崎清明)