2005年8月29日(月)「しんぶん赤旗」

自民・安倍氏発言

国の借金“減る方向”

党政策は「最悪水準」明言


 自民党の安倍晋三幹事長代理は二十七日、名古屋市内での街頭演説で「自民党、公明党、与党はすばらしい道を進んでいる。小泉内閣は借金を減らしていく方向に向かっている」などと述べました。

 どこをみて小泉内閣が借金を減らしているといえるのか。自民党自身、総選挙マニフェスト(政権公約)とともに配布している「自民党重点施策」で次のように指摘しています。「現在のわが国の財政状況は、平成17年(二〇〇五年)度末における国及び地方の長期債務残高が774兆円程度、対GDP(国内総生産)比で151%に達すると見込まれ、先進国の中で最悪の水準となっている」

 歴史的にみても、小泉内閣の巨額の借金は「世界一の借金王」と自嘲(じちょう)していた小渕恵三首相時代の六百兆円(一九九九年度末)をはるかに上回るもの。安倍氏の後に演説した谷垣禎一財務相も「日本は借金まみれです。借金をしている財務大臣が言うんだから間違いありません」と自認しています。

 谷垣氏は、借金体質になった原因について「みなさんが額に汗をして一生懸命働いた成果、お金を、国が一番使うという体質ができてしまったからだ。景気が悪くなった時も、国が先頭に立って仕事をしないと景気がよくならないという体質がいつの間にかできてしまった」などといいました。不要不急の大型公共事業に税金を投入するバラまき政治を続けてきたのは自民党、公明党自身です。政権党であれば「体質ができてしまった」などと他人事のようにいえないはずです。事実に反することを平気でいう安倍氏、借金財政の自己責任を語れない谷垣氏。両氏の発言に、自民党政治のゆきづまりの一端があらわれています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp