2005年8月28日(日)「しんぶん赤旗」
公明党
自民支援で見返り
比例票 なりふり構わず要求
総選挙で現有三十四議席の確保をめざす公明党は、小選挙区で自民党候補に票を回すかわりに比例代表で票をもらう選挙協力に力を入れています。公明党・創価学会の支援なしではたたかえない自民党の支持基盤の崩れと、なりふり構わず比例票の上積みという見返りを求める公明党の無節操ぶりが目立っています。
公明党が二十五日までに支援を決めた自民党公認候補は百九十九人。
二議席獲得をめざす東北ブロックでは前回、五十六万票を得ましたが、最後の議席を日本共産党と争って敗れたこともあり今回は六十万票に目標を引き上げました。
前回八万一千票の青森でも目標を九万票にアップ。今回初めて、全部の小選挙区で自民党候補を推薦しました。
これを受けて自民党の津島雄二・青森1区候補は二十三日、公明党の浜四津敏子代表代行とともに街頭でマイクを握り、「前回のように比例最後の議席を共産党が取るようなことを繰り返すな」と叫びました。
小選挙区での立候補を断念し、比例での議席増をねらう北関東ブロックでは、栃木県で公明党の遠藤乙彦県本部代表と自民党県連の森山真弓会長が二十三日、共同で記者会見する力の入れよう。公明が自民の小選挙区候補五人を支援する代わりに「自民は公明三議席確保に向け、積極的にできる限りの支援を行う」と合意しました。
「比例区で票数二対一の比率での協力を要請した」と遠藤代表。前回の四十万の自民党比例票を露骨に狙う姿勢です。
創価学会・公明党票欲しさから、「比例は公明」と言い出した自民候補も少なくありません。
「公明党は『見返り』として比例九州ブロックで『三万票』を要求」(西日本新聞)と報じられた比例九州ブロックでは演説会などで自民、公明両党の地方議員が一緒に立ち会い、バーター投票を呼びかける方針です。
長崎県では、公明党員決起大会に自民党長崎1区候補の富岡勉氏が出席。「神崎代表と私の政策は全く一緒。選挙区は富岡へ、比例は公明党さんへ」と訴えました。
島根では、両党共催で「連立政権時局講演会」を初めて開催する熱の入れようです。
こうした一方で公明党は、福岡11区など郵政民営化法案に反対した元自民党候補を応援する選挙区も。「『落下傘候補からは比例票の見返りは少ない』(公明党幹部)との計算がうかがえる」(「産経」二十五日付)として「巧妙な選挙協力」と報じられています。
しかし、なりふり構わない公明党の“見返り”作戦が、自民党の地方議員や支持者らの間であつれきを呼んでいます。
「自民党として『比例は公明党に投票を』とはいえない。ここの選挙区支部長の対応に任せる」(千葉県連・金子和夫幹事長、「千葉日報」二十二日付)という声も出ています。