2005年8月26日(金)「しんぶん赤旗」
都立日比谷図書館を廃止
都教委が千代田区に移管方針
東京都教育委員会は二十五日、都立日比谷図書館を廃止し、千代田区に移管する方針を明らかにしました。「百年近い歴史がある、日本の図書館のシンボル的存在の図書館をなくすのか」と利用者や図書館関係者から、批判があがっています。
同日発表した「第二次都立図書館あり方検討委員会」の報告書「都立図書館改革の基本方向」のなかで、「日比谷図書館を地元区に移管することを検討すべき」としています。
日比谷図書館は一九〇八年に東京市立日比谷図書館として開館。官庁街やオフィス街に近く、公務員やビジネスマン、研究者も利用し、障害者サービスなど先駆的な事業を行ってきました。二〇〇二年の利用者は六十六万人で、三館ある都立図書館の利用者の六割を占めています。
建物が老朽化したため、都は一九九七年に「新日比谷図書館基本構想」をまとめるなど建て替えを検討しましたが、財政難を理由に実施されませんでした。
東京の図書館をもっとよくする会の佐々木順二代表は「日比谷図書館は利用率が高く、高度な要求にもこたえられる司書が配置されるなどの蓄積があります。移管でそれが失われるのではないか。移管ではなく都立として存続させるべきです」と語りました。