2005年8月26日(金)「しんぶん赤旗」
公明党 “痛み”強要のエンジン役
福祉破壊する先頭に
公明党は総選挙ポスターに「改革を前へ」とかかげ、与党として小泉「改革」を推進する立場を押し出しています。福祉破壊の小泉「改革」の四年間も、公明党の支えがあってこそ強行できたものです。「改革のエンジン役」をどう果たしてきたのでしょうか。
■介護改悪・障害者「自立支援」法案 批判を承知で推進
さきの国会で自民、公明の与党に民主党が加わって強行した介護保険改悪。「ホテルコスト」負担として特別養護老人ホームなど施設入所者の居住費、食費の全額を自己負担とするものです(十月実施予定)。自民党議員からも「大混乱が末端で起きますよ」と声があがりましたが、公明党は「国民の皆さんにどう理解していただくか…説明責任を与党の一員としても果たしていかなきゃならぬ」(桝屋敬悟議員、四月一日の衆院厚労委員会)と負担増徹底の決意を表明して改悪を後押ししました。
衆院解散で廃案になった障害者「自立支援」法案についても、「応益負担の導入が盛り込まれ、障害を持つ方々には厳しい要素も含まれており、さまざま懸念の声をいただいている」(七月二十二日、参院本会議、鰐淵洋子議員)と負担増への不安、批判が強いことを認めつつ、早期成立を求めました。
■医療改悪 公約翻して全面協力
公明党はこれまでも、与党として福祉、医療の改悪を進めてきました。口火は医療の負担増。サラリーマンの健保本人三割負担(二〇〇三年四月実施)、高齢者の医療費一割負担の徹底(〇二年十月実施)などの医療改悪です。これに公約も投げ捨てて協力します。
与党となる前は、健保本人二割負担導入(一九九七年九月実施)を批判し、「医療費の負担増に反対します」(一九九八年参院選での法定ビラ)と公約。二〇〇一年七月の参院選のアンケートでは「健保本人の三割負担」に「反対」と表明(全国保険医団体連合会のアンケート)していました。これを翻し、改悪の原動力となりました。
患者への影響について、公明党所属の坂口力厚労相(当時)は「ちょっとのどが痛いとかちょっと熱があるといったような人たちは、(通院を)控えることが一時的に起こるかも」(〇二年七月二日、参院厚労委員会)と軽視。実際には、三割負担で「受診を控えた」人が「六割」(保団連調査)にのぼりました。
受診抑制の改悪を強行しながら、今回の選挙公約では医療を「予防重視」へ転換すると居直っています。
■年金大改悪 「百年安心」と誇大宣伝
年金大改悪では、「百年安心の年金」などのスローガンを掲げ改悪の先頭に立ちました。
ところが「安心」の中身は、国会審議もなく年金保険料を毎年引き上げ、給付水準は、少子化・高齢化の進展に合わせて引き下げるというかつてない大改悪。それを「百年安心」と強弁したのです。自民党からも「『百年の安心』が流行言葉であったが、私は正直言って大変しらけた。…国民誰もが信用・信頼するわけはない」(丹羽雄哉自民党社会保障制度調査会会長、『週刊社会保障』二月二十一日号)との声があがるほどの誇大宣伝です。
ここでも「政府は『保険料を上げて、給付額を下げる』という“年金改悪”を行おうとしていますが、公明は断じて反対」(一九九八年の参院選パンフ)という従来の主張とまったく逆のことを国民に押しつけました。