2005年8月24日(水)「しんぶん赤旗」
米こそ不安定化勢力
ベネズエラ大統領が反論
ベネズエラのチャベス大統領は二十一日、訪問先のキューバから放送した毎日曜日のテレビ番組「もしもし大統領」で、「クーデターや侵略でこの地域を不安定にしているのは米国だ。中南米だけではなく世界の不安定化勢力だ」と強調しました。ラムズフェルド米国防長官がベネズエラ、キューバを「反社会的、不安定化勢力」と非難したことに反論したものです。番組にはキューバのカストロ国家評議会議長も参加しました。
米政府はかねてから、ボリビアの先住民運動などを扇動、支援しているとしてベネズエラ、キューバへの批判を強め、中南米諸国に同調を求めてきました。ラムズフェルド国防長官は、今月中旬のパラグアイ、ペルー訪問でも、中南米地域の安全を脅かす「反社会的、不安定化勢力の行動」に歯止めをかけるために共同してとりくもうと呼びかけました。
しかし、今回もこの呼びかけに応える気配は見当たりませんでした。パラグアイのゴンサレス国防相は、ベネズエラ、キューバとの関係に「変化はない」と述べ、パラグアイの七百人の青年がキューバで医学を学んでいることや、有利な条件でベネズエラから石油の供給を受けていることなどを強調し、両国との「連帯」関係を指摘。「先進国がこの種の連帯をわが国に示すことはない」と米国を暗に批判しました。
ペルーのトレド大統領は、「民主主義はすべての国の責任」と強調し、他国の内政に干渉しないことが望ましいと述べ、ラムズフェルド国防長官が持ち出した問題には言及を避けました。
(松島良尚)