2005年8月22日(月)「しんぶん赤旗」
ガザ完全撤退目前
西岸の入植活動停止を
パレスチナ 自治政府議長が要求
【カイロ=小泉大介】イスラエル政府によるガザ地区入植者の退去が85%終了し、完全撤退が間近に迫った二十日、パレスチナ自治政府のアッバス議長はガザ市で演説し、ガザ地区からの撤退が全占領地での入植活動停止に結びつかない限り和平は進展しないとの立場を示しました。
アッバス議長はガザ地区撤退は和平に向けた「第一歩」と指摘した上で、「今後、イスラエル政府は(ヨルダン川西岸での)入植活動とエルサレムのユダヤ化を停止しなければならない」と強調。イスラエルが西岸で進めている「入植活動の継続は、和平を望んでいないことを示すものである」と指摘しました。
イスラエルのシャロン首相はガザ地区入植者の強制退去が開始された十七日の会見で、「(西岸での)入植活動は真剣な計画であり、今後も継続、発展するだろう」などとのべました。今回のアッバス議長の発言は、同首相の姿勢を批判したものです。
アッバス議長はまた、ガザ地区の全入植地跡地を自治政府が管理するとともに、当面、南部のモラグ入植地跡に三千戸の住宅を建設し、地中海沿岸部のネツァリム入植地跡では港湾関連施設を建設する方針を表明しました。イスラエル政府とパレスチナ自治政府は、ガザからの入植者退去が完了した後、全入植者住宅を取り壊すことで合意しています。
一方、ガザ地区を拠点とするパレスチナ過激派組織ハマスの軍事部門は二十日、声明で「われわれは(ガザ地区以外の)占領地での抵抗が進展するよう全力で支援する。解放のその日まで活動を休むことはない」とのべ、全占領地が解放されるまで対イスラエル闘争を継続する意思を表しました。